2017 Fiscal Year Research-status Report
pラプラシアンの固有値問題と関連する楕円積分の研究
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17K05336
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
竹内 慎吾 芝浦工業大学, システム理工学部, 教授 (00333021)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 一般化三角関数 / 一般化楕円積分 / pラプラシアン / 非局所境界値問題 / 積分公式 |
Outline of Annual Research Achievements |
2017年度の本研究課題の研究成果は次のとおりである:(i) 一般化不完全楕円積分に対するルジャンドル関係式の導出 (ii) 一般化三角関数の非局所境界値問題への応用 (iii) 一般化三角関数の積分公式。 (i) については、1876年の A.Cayley の古典に不完全楕円積分に関するルジャンドル関係式に関する記述があることがわかったので、これをヒントに一般化不完全楕円積分への一般化を行った。まだ満足いく結果は得られていないが、この途中結果を8月に東北大で行われたワークショップにおいて発表し、この分野の第1人者である M.Vuorinen 氏から好意的なコメントを頂いた。(ii) については、流体力学に現れるプリミティブ方程式に由来する非局所境界値問題に対して、そのすべての正値解を一般化三角関数を用いると記述できることを証明した。一般化三角関数はpラプラシアンの固有関数であるので、pラプラシアンを含む方程式に応用されることがほとんどであるが、この結果はpラプラシアンを陽に含まない方程式についてその解を一般化三角関数を用いることですべて書き下せることを示している。この成果は、日本数学会年会と RIMS 研究集会で報告し、論文にまとめて現在投稿中である。(iii) については、大学院生との共同研究である。三角関数に対するウォリスの公式を一般化三角関数に対して一般化した。特に、一般化円周率(レムニスケート定数も含む)の積公式も得ることができた。この結果は、大阪府立大学でのセミナーで報告し、(ii) とともに論文にまとめて現在投稿中である。 その他の実績として、11月に RIMS において共同研究(公開型)「実領域における常微分方程式研究の継承と革新」を開催した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
開拓されたばかりの分野で解くべき問題が山積しており、研究集会で成果を報告するとそれなりの反響があるので、研究は順調であると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も引き続き、一般化三角関数(pラプラシアンの固有関数)の性質、主に数論的性質について研究し、その成果を広く発表していく。予定としては、まずこの7月に台湾で行われる国際会議で二つの研究成果を発表することになっている。
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Causes of Carryover |
納品時期の関係で、ある洋書の購入を見送ったため。
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Research Products
(6 results)