2022 Fiscal Year Annual Research Report
Algebraic curves for coding theory and their properties
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17K05344
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
川北 素子 滋賀医科大学, 医学部, 准教授 (80467373)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 代数曲線 / 有理点 / 符号理論 |
Outline of Annual Research Achievements |
情報通信の正確さを保証するのが符号理論の役割である。代数幾何符号が発見されてから、有理点を多数もつ代数曲線が効率のよい符号を構成することがわかった。前年度までの研究ではセール上界に達する新しい代数曲線を発見できた。今年度は、種数が6や10の代数曲線について、ヤコビアンを解析して、コンピュータ探索を行った。有理点を多数もつ代数曲線を得ることができた。探索アルゴリズムをさらに高速化することで、セール上界に達するものが発見できそうな状況となった。 次に、研究期間全体の成果を紹介する。多数の有理点をもつ代数曲線の興味深い性質に出会えたが、ここでは結果を抜粋して種数ごとに述べる。 まず、種数5の代数曲線について、存在が知られていなかったセール上界に達する最大曲線でないものを初めて発見した。しかも具体的な定義方程式を与えた。最大曲線のみならず、多数の有理点をもつ代数曲線のデータベースhttp://www.manypoints.org/も更新した。種数6の代数曲線について、本研究開始前に見つけたWiman曲線の最大曲線を、本研究期間内に国際共同研究によりその性質を解明した。種数7の代数曲線について、最大曲線を見つけてヤコビアンの完全分解を与えて、最大となる必要十分条件を発見し、証明を与えた。さらに、存在の知られていなかったセール上界に達する最大曲線でないものを発見して、セール上界に達する必要十分条件を与えた。種数10の代数曲線について、次数6の平面曲線から最大曲線を発見し、ヤコビアンの完全分解を与えた。
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