2017 Fiscal Year Research-status Report
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17K05350
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
池田 宏一郎 法政大学, 経営学部, 教授 (60332029)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ジェネリック構造 / 安定性理論 / モデル理論 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目標は,Lachlan予想の反例(安定なEhrenfeucht理論)の存在を検討することにある.もし安定なEhrenfeucht理論が存在するならば,そのような理論はspecial typeをもたなければならないことがわかった.この結果を,2017年5月に復旦大学(中国)で開催された研究集会「Model theory workshop in Shanghai」で発表した.その際に研究集会参加者より,発表内容に対する示唆があり,結果をさらに改良したものを,2017年7月にNIMS(韓国)で開催された研究集会「15th Asian Logic Conference」,さらには2017年8月にストックホルム大学(スウェーデン)で開催された研究集会「Logic colloquium 2017」で発表した.両研究集会においては,本研究内容に詳しい参加者と議論を行い,special typeをもつ可算安定な理論の例がすでに存在することがわかった.これらのことを踏まえ,まとめて結果を2017年9月に開催された日本数学会秋季総合分科会,さらには2017年12月に開催されたRIMS研究集会「モデル理論における独立概念と次元の研究」において発表した.以上の結果をまとめた論文はRIMS講究録に掲載予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目標は,Lachlan予想の反例,すなわち,安定なEhrenfeucht理論の存在を検討することにある.この目標に対して1年目は,もし安定なEhrenfeucht理論が存在するならばもつべき性質として,special typeをもつ理論を解析した.その結果,可算安定理論でspecial typeをもつ理論が存在することがわかった.本来はpowerful typeをもつ安定理論の存在を示したかったが,それに近い性質をもつ理論の存在が示すことができた.よって本研究はおおむね順調に進展していると考えられる.
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は,tree propertyをもつ安定理論の存在を示したい.これが示せることで,次の目標である,powerful typeをもつ安定理論の存在,そしてうまくいけば,安定なEhrenfeucht理論の存在が示すことができる可能性がある.そのために,1年目と同様,海外の研究者の協力が必要となる.よって研究打合せを頻繁に行うなどして研究を進めていきたい.なお,研究の最終目標であるEhrenfeucht理論の存在が示すことができなくとも,いくつかの中間目標が設定されており,研究の進度に合わせ柔軟に対応できる研究計画になっている.
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Causes of Carryover |
研究打合せで2回,神戸大学の桔梗氏のところに行く予定であったが,実際は桔梗氏が法政大学に来ることで国内旅費を使用しなかった.今年度はこちらから神戸大学に研究打合せに数回行く予定である.
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