2018 Fiscal Year Research-status Report
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17K05350
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
池田 宏一郎 法政大学, 経営学部, 教授 (60332029)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | モデル理論 / ジェネリック構造 / 安定性理論 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,ジェネリック構成法を用いて,Lachlan予想の反例(に近い構造)を作ることにある.2018年度はこの目的に対する中間目標として,真に安定で可算範疇的でないジェネリック構造を構成することを試みた. まず,2018年5月に仙台国際センターで開催された研究集会JCCA2018において,確率論的手法とジェネリック構造の関係について研究発表を行った.その後,Hrushovski擬平面を改良して目的としている構造を作るという着想を得て,2018年9月に東海大学山中湖セミナーハウスで開催されたモデル理論サマースクールにおいて研究発表を行った.そして,この研究集会参加者からのコメントを踏まえ,2019年9月に岡山大学で開催された日本数学会総合分科会において研究発表を行った.真に安定で可算範疇的でないジェネリック構造を作るという中間目標に対して,この時点では証明の一部にギャップがあったが,その後,そのギャップは解消され,2018年12月に京都大学数理解析研究所で開催されたRIMS研究集会において,目標とする構造の構成法についての研究発表を行った.この発表の内容をまとめた論文はRIMS講究録に掲載予定である. なお,2018年度はこの中間目標と平行して,special typeをもつジェネリック構造を作るという目標も設定していた.この目標に関する研究成果は,2018年にRIMS講究録に掲載された2つの論文と,同じく2018年にAsian Logic Conference Proceedingsに掲載された論文にまとめられている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Lachlan予想の反例に近い構造を構成する目標に対して,2018年度の中間目標である,真に安定で可算範疇的でないジェネリック構造を構成することができた.この中間目標は2018年度になって設定した目標であり,最終目標である「反例に近い構造」にどの程度近づいているかについては議論の余地がある.しかし,この分野の研究成果が近年ほとんどない状況を考えると,研究代表者はこの結果におおむね満足している.
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の最終目標である,Lachlan予想の反例に近い構造を作ることを試みる.Lachlan予想は約50年間,未解決である予想であり,反例そのものを作ることは難しい.そこで具体的目標として,重さ無限である真に安定な理論を作ることを試みる.このために,国内研究集会および研究打合せなどで,桔梗宏孝氏,坪井明人氏と協力し研究を進めていきたい.さらには国外研究集会において,本研究に詳しいAnand Pillay氏,Sergey Sudoplatov氏とも協力し,最終目標の達成に努めたい.
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Causes of Carryover |
2018年度に予定していたパソコンの購入が年度末になってしまい,本体に関連する周辺機器の購入ができなかった.よって今年度にそれらを購入する予定である.
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