2017 Fiscal Year Research-status Report
実数の特異部分集合と関数空間の局所的性質に関するScheepers予想の総合研究
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17K05352
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
酒井 政美 神奈川大学, 理学部, 教授 (60215598)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | Scheepers予想 / projectively Menger |
Outline of Annual Research Achievements |
位相空間Xの任意有限積がMengerの被覆公理を満たすことと各点収束位相を入れた関数空間Cp(X)がcountable fan tightnessを満たすことが同値であることがArhangel'skiiによって証明されている。よって、位相空間Xの任意有限積がMengerであればCp(X)にsequential fanは埋め込まれない。このことからArhangel'skiiは、位相空間Xの任意有限積は考えずに、XがMengerという条件だけでsequential fanがCp(X)に埋め込みできないかどうかという問題を提出した(1992年)。この問題に対して、一般にCp(X)にsequential fanが埋め込めるための必要十分条件をXの位相的性質で与え、実数の零次元空間XでMengerであるが、sequential fanがCp(X)に埋め込める例が存在することを証明してArhangel'skiiの問題を解決した。またArhangel'skiiによりCp(X)がMengerであることとXが有限集合であることが同値であることが証明されているが、Cp(X)がprojectively Mengerになるのはどのようなときかを考察し、Cp(X)がprojectively Mengerになるための必要十分条件はXがpseudocompactでb-discreteであることを証明した。また、この結果を上記のArhangel'skiiの結果に応用してArhangel'skiiの証明の簡略化に利用した。更に、Cp(X,I)がprojectively Mengerになるための必要十分条件はXがb-discreteであることを証明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要で述べられたMenegrの被覆公理の研究はScheepers予想で現れる被覆公理と密接に関係しており、Scheepers予想解決の一つの端緒になる。また、関数空間Cp(X)の研究はPixley-Roy超空間ともつながっており、これも何らかの応用に使えるのではないかと思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の研究で足らXなかった部分は次年度は補いながら進める。また、従来の研究計画通り、実数の部分集合がScheepers予想の被覆公理を満たすこととsequential fanがCp(X)に埋め込めることとの位相的な違いについて考察する。
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Causes of Carryover |
(理由)国際会議での滞在費に使用予定であったが、招待講演者ということで滞在費を使用する必要がなくなったため。
(使用計画)国際会議参加の費用の1部に充当する予定である。
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