2021 Fiscal Year Research-status Report
実数の特異部分集合と関数空間の局所的性質に関するScheepers予想の総合研究
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17K05352
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
酒井 政美 神奈川大学, 理学部, 教授 (60215598)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 関数空間 / Menger property / Scheepers予想 |
Outline of Annual Research Achievements |
Tychonoff位相空間 X 上の連続関数全体に各点収束位相を入れた関数空間を Cp(X) で表す。また、Cp(X) と Cp(Y) が線形位相空間として同型であるとき、X と Y は l-equivalent であるといわれる。X と Y が位相同型であれば l-equivalent になるので、 l-equivalent は位相同型より弱い分類概念である。当該年度では前年度の研究の継続として、 Menger や Hurewicz などの特殊な性質を満たす実数の部分空間について、それらの性質が l-equivalent で保存されるかを研究した。 具体的には、前年度の研究実績「第一可算公理を満たす位相空間 X, Y が l-equivalent であり、X が Menger property を満たせば Y も Menger property を満たす」をもとに、当該年度では(1) 上記実績において第一可算公理の条件を削除または弱められないか、(2) 上記実績において Menger property を hereditarily Menger(すべての部分空間が Menger property をもつ)に変えても結果は成立するか、を目標に研究を進めた。 研究を進める手掛かりとなるのは、Menger property と似たような位相的性質であるLindelof property では(1)と(2)は正しいことが知られていることである。このことからLindelof proprty に関連する文献から証明を与えるための基本的な手法や(1)と(2)を証明する際の問題点などを精査した。しかし残念ながら当該年度では論文としてまとめられるまでの研究実績は得られなかったため、次年度も当該年度の研究を継続する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究に関連するところでは、コロナウイルスの影響で国内外の出張が制限され、本研究課題と関連する研究を行っている国内外の研究者と直接意見交換ができないため。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、コロナウイルスの影響で補助事業期間の延長を認められた最終年度となるため、これまでの研究の過程や成果を整理したうえで、当該年度の研究の継続に注力し研究実績として取りまとめができるようにしたい。
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Causes of Carryover |
コロナウイルスの影響で国内外の出張に使用する予定であった旅費の支出がなかったため。次年度は研究成果を取りまとめ、国内外の研究会で発表する際の旅費等の使用に充てる予定である。
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