2022 Fiscal Year Research-status Report
実数の特異部分集合と関数空間の局所的性質に関するScheepers予想の総合研究
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17K05352
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
酒井 政美 神奈川大学, 理学部, 教授 (60215598)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 関数空間 / Scheepers予想 / Menger |
Outline of Annual Research Achievements |
研究期間が1年延長された当該年度は、前年度に十分な進捗が得られなかった研究課題について、継続して研究を行った。具体的には,各点収束位相を入れた位相空間X上の関数空間Cp(X)について,Cp(X)とCp(Y)が線形位相空間として同型であり、位相空間Xがhereditarily Menger(Xのすべての部分空間がMenger空間になっている)であるとき、位相空間Yもhereditarily Mengerになるかという問題について研究した。この問題の手掛かりは、hereditarily Mengerより弱いhereditarily Lindelofに関しては正しいことがOkunevの結果により知られていることであり、更にCp(X)とCp(Y)が線形位相空間として同型でなくてもCp(X)とCp(Y)が位相空間として同相であればよいことが知られている。Okunevの証明の方法を詳細に研究し、それをもとにhereditarily Mengerの場合に適用できないかを研究した。 結果として、hereditarily Lindelofの場合の証明をhereditarily Mengerの場合に適用するにはいくつかの越えなければならない障害があることがわかり、残念ながら当該年度では大きな進展は得られず、論文の形にまとめることはできなかった。再延長の認められている次年度は最終年度になるため、当初の研究目的を達成するために、進展の不十分であった部分を改めて精査して研究計画に従い研究を継続する予定である。次年度はメキシコで開催予定の国際会議で多くの研究者と情報交換をする予定であり、これまでの研究を生かして研究実績を論文としてまとめたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
前年度と同様に、当該年度においても国内外の出張が制限され、本研究課題に関連した研究集会が開催されなくなったり、本研究課題に関連する研究を行っている国内外の研究者と直接意見交換ができなかったことが理由です。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度が最終年度となるため、当該年度までの研究内容を整理して、改めて研究目的に従い最終年度で達成可能な課題に注力して研究実績として取りまとめたい。
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Causes of Carryover |
国際会議出張のための旅費を計上していたが、国外出張の自粛と国際会議自体が開催されなかったことが理由です。次年度はメキシコで研究代表者がsession organizerを務める国際会議が開催予定であり、この出張旅費に主に使用したい。
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