2020 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
17K05369
|
Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
小守 良雄 九州工業大学, 大学院情報工学研究院, 准教授 (20285430)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | Magnus-type method / 半線形確率微分方程式 / ルンゲ・クッタ・チェビシェフ / 確率遅延微分方程式 / 数値的安定性 |
Outline of Annual Research Achievements |
1) 一定の時間遅れを持つ確率遅延微分方程式に対する陽的解法を平成 30 年度に提案した.その数値的安定性解析を行い,その Extended Abstract が AIP Conference Proceedings に掲載された. 2) 移流項も拡散項も半線形な伊藤型確率微分方程式を考える.常微分方程式で知られた Magnus 展開をこれに適用し,確率微分方程式の解をその展開式で表現した.これは一般に無限個の項をもつ式となるが,それを途中で打ち切れば新しいクラスの解法が得られる.これに基づき,新しい解法を提案した.その論文が論文誌 Numerical Algorithms に掲載された. 3) 加法的なノイズの影響を受ける不足減衰調和振動子に対して,エネルギーの時間発展を考える.これを数値的にシミュレーションする方法の一つとして,確率θ(シータ) 法が知られている.それによって保存される物理量を調べた.結果をまとめて,原稿を論文誌に投稿した.現在,それは査読中である. 4) 移流項が半線形な非自律的確率微分方程式を考える.これに対して,物理量を保存する指数型確率ルンゲクッタ法を導出した.その際,B-series 理論を拡張し,次数拘束条件を導いた.結果をまとめた原稿を論文誌に投稿した.現在,それは査読中である.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究実績の概要で報告したことがらは,ほとんどが海外からの研究者からの呼びかけによって始めた研究の成果である.その一方で,元々自分で取り組んでいた研究がある.その論文の再投稿を予定していたのに,まだ,それが出来ていない.
|
Strategy for Future Research Activity |
並行して同時に進めていた研究がいくつもあったが,それらがほぼ終わりに近づいている.したがって,元々自分で進めていた研究に取り組む時間をこれからは増やせるだろうと考えている.出来るだけ早く再投稿に持っていく.
|
Causes of Carryover |
コロナ禍により,海外の研究室訪問が出来なかった.それを次年度に回すことにした.
|
Research Products
(6 results)