2021 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
17K05369
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
小守 良雄 九州工業大学, 大学院情報工学研究院, 准教授 (20285430)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | Magnus-type method / 半線形確率微分方程式 |
Outline of Annual Research Achievements |
1) 調和振動子へ速度に応じた減衰力が働き,不足減衰の場合を取り扱う.この系に加法的なノイズが与えられる時,系におけるエネルギーの時間発展を確率θ(シータ) 法によってシミュレーションする.その際,保存される物理量と計算精度を調べた.論文が論文誌 Mathematics and Computers in Simulation に掲載された. 2) 移流項が半線形な非自律的確率微分方程式を考える.これに対して,物理量を保存する指数型確率ルンゲクッタ法を導出した.その際,B-series 理論を拡張し,次数拘束条件を導いた.そのような拡張は他の文献でもしばしば見られるが,ここで取り扱った指数型の解法では B-series の重みの決め方に特別な注意が必要であった.共著者の一人から問い合わせがあり,本研究代表者も研究に加わることになった.その後,本研究代表者は慎重に考察し,その重みの決め方に大きく貢献した.提案した解法の性能を調べる為に数値実験を行い,既存解法と比較した.これらの数値実験により,我々の解法が精度においてだけでなく,物理量の保存においても優れていることが確認できた.この論文は,論文誌 BIT Numerical Mathematics への掲載が決まっている.
2) の共著者達とは,別の研究にも取り組んでいる.これをできるだけ早く論文に仕上がられるように,一歩一歩進めているところである.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究実績の概要で報告したことがらは,どちらも海外からの研究者からの呼びかけによって始めた研究の成果である.その一方で,元々自分で取り組んでいた研究テーマが 2 つある.あともう少しで投稿できそうなところまでこぎつけた.どちらもできるだけ早く投稿したい.
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Strategy for Future Research Activity |
残っている 2 つ研究テーマの内,一方はほとんどゴールに到達したように感じている.一刻も早く,これをやり遂げる.その後ただちに,もう一方の研究を再開する.どちらについても年度内の掲載確定を目指す.
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Causes of Carryover |
コロナ禍により,海外の研究室訪問が出来なかった.それを次年度に回すことにした.
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Research Products
(6 results)