2022 Fiscal Year Annual Research Report
Research on explicit numerical methods for high-dimensional stochastic differential equations
Project/Area Number |
17K05369
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
小守 良雄 九州工業大学, 大学院情報工学研究院, 准教授 (20285430)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 陽的解法 / 確率微分方程式 / 弱い意味で二次の近似 / ルンゲ・クッタ・チェビシェフ / 硬い方程式 |
Outline of Annual Research Achievements |
1) 移流項が半線形な非自律的確率微分方程式に対して,物理量を保存する指数型確率ルンゲクッタ法を提案した.この論文が,論文誌 BIT Numerical Mathematics に掲載された. 2) 高次元の確率微分方程式に対する陽的数値解法を導出した.本解法には,常微分方程式に対するルンゲ・クッタ・チェビシェフ法が埋め込まれている.それ故,本解法は陽的解法でありながら,数的安定性に優れている.その上,本解法は,確率微分方程式に対して弱い意味で 2 次の近似解を与える.我々は線形誤差解析を行い,比較的大きな時間ステップで高い計算精度をもつように本解法を設計した.数値的安定性に優れたその他の陽的解法として,行列指数関数を含む確率ルンゲ・クッタ法が知られている.我々はクリロフ部分空間射影テクニックを使って,高次元の問題に対する行列指数関数の高速計算を実現した.その結果,行列指数関数を含む確率ルンゲ・クッタ法が,高次元の確率微分方程式へ適用可能になった.これらの解法に対して線形な問題だけでなく,非線形な問題も含む様々数値実験を行い,本解法の優位性を確認した.特に,次元が非常に高く,ドリフト項の行列の固有値が実軸周りに分布し,拡散項にあまり大きなノイズを持たない確率微分方程式に対して,本解法が有効であるとわかった.これらの結果をまとめて,論文を一流の論文誌に投稿した.その論文は現在査読中である.論文誌の要請に従い,解法のプログラムコードを査読終了後に公開予定である.
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Research Products
(4 results)