2020 Fiscal Year Annual Research Report
A study on fixed point problems in metric spaces with geodesic structure and its applications
Project/Area Number |
17K05372
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
高阪 史明 東海大学, 理学部, 教授 (20434003)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 不動点 / 非拡大写像 / 強非拡大写像 / Bregman距離 / 完備CAT(0)空間 / 凸関数 / 最小点 / 近接点法 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は非線形問題の解の近似法を研究する上で重要な役割を果たす強非拡大写像の基本性質について研究を行うとともに、完備なCAT(0)空間における凸関数の最小点近似問題に関する研究成果を国内の研究集会において発表した。
凸関数の最小点問題や二変数関数の鞍点問題などの非線形問題を不動点問題として定式化する際に、非拡大写像の不動点を求める問題が現れることが多い。非拡大写像は写像の逐次近似列が必ずしも収束しないため、凸結合や閉半空間への射影などを用いて新しい写像を定義することにより不動点近似列を構成することになる。このようにして定義された点列が不動点に収束するかどうかを議論する際、写像の強非拡大性が主たる研究対象となる。今回の研究論文においては、一般の集合上の強非拡大写像の基本性質について得られた成果を得た。得られた成果を応用することにより、バナッハ空間におけるBregman距離を用いた強非拡大写像についての幾つかの興味深い結果を得た。
ヒルベルト空間におけるproperで下半連続な凸関数の最小点を近似する方法の一つとして、1976年にRockafellarが研究した近接点法が知られている。この最小点近似法は、より一般の極大単調作用素について研究されるとともに、より一般のバナッハ空間において多くの成果が挙げられている。本研究では、ヒルベルト空間の一般化である完備なCAT(0)空間におけるproperで下半連続な凸関数の最小点を求めるための二つの近似法を研究し、最小点への収束定理と最小点の存在定理を得た。
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