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2019 Fiscal Year Research-status Report

再生核理論を用いたソボレフ不等式研究の深化と応用

Research Project

Project/Area Number 17K05374
Research InstitutionNihon University

Principal Investigator

武村 一雄  日本大学, 理工学部, 准教授 (60367216)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 亀高 惟倫  大阪大学, その他部局等, 名誉教授 (00047218)
Project Period (FY) 2017-04-01 – 2022-03-31
Keywordsグリーン関数 / ソボレフ不等式 / 最良定数
Outline of Annual Research Achievements

研究計画3年目に当たる令和元年度(平成31年度)は,昨年度に引き続き,離散版ソボレフ不等式の最良評価(最良定数,最良関数計算)と並行して進められてきた常(偏)微分方程式の各種境界値問題に対するグリーン関数を,再生核理論の立場からあらためて整理し直した。こうしたグリーン関数のとりまとめ作業により,従来,得られていたあるソボレフ型不等式の最良評価の拡張に成功した。本年度の主な研究成果は,「1次元L^pソボレフ型不等式の最良評価」を得られたことである。本研究成果は,先行研究として2007年から2012年の間に,当該研究グループにより得られた最良評価についてのさまざまな知見に基づいたものである。これらの成果の中でも,特に2007年に発表された「(-1)^M(d/dx)^(2M)に対する周期境界値問題に対応するL^pソボレフ不等式の最良定数」,2012年に発表された「ヘビサイド・トムソンケーブルに対する周期境界値問題のソボレフ型不等式」の研究成果を直接的な礎としている。具体的には,これまでに,すでに得られていた周期境界条件のもとでのL^2ソボレフ型不等式の結果を,境界条件は異なるが,1次元L^pソボレフ型不等式へと拡張される結果となっている。ソボレフ型不等式の背景にある微分方程式としては,全固有値が負に分布しているn次元フルビッツ型多項式の微分作用素をもつ線形常微分方程式に対する境界値問題を問題として設定した。こうして設定された境界値問題に対して,はじめに解を導出した。さらに,導出された解の公式に対して,ヘルダーの不等式を適用することにより,ソボレフ型不等式が導出される。導出されたソボレフ型不等式の最良定数は,グリーン関数のL^pノルムに等しくなり,同時に,最良関数の原点での値に対するp乗根と等しくなることも合わせて発見された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本年度は研究計画3年目に当たるため,中間報告として,当該研究課題と関連の深いいくつかの研究会で成果発表の予定ではあったが,年明けから昨年度末に予定されていた研究集会などが,世界的な新型コロナウイルス感染症拡大を受けて,軒並み中止となったことから,研究発表はいずれも行われていない。しかしながら,得られた研究成果に対する論文出版については,当初の予定通り進められている。これらの状況を総合的にみると,全体として,本研究課題の進捗状況はおおむね順調に進展していると判断される。

Strategy for Future Research Activity

令和元年度に得られた研究成果「1次元L^pソボレフ型不等式の最良評価」の中でも,特に,最良定数が,背景に存在しているある微分方程式に対するグリーン関数のL^pノルムと等しくなることに着目している。さらに,現時点において,最良定数がp=2の場合には行列式表現が可能であることが確認されており,最良定数の行列式表現の可能性を示唆していることなどから,最良定数の代数的表現が直近の課題として1つ挙げられる。さらには,本年度得られた結果は,1次元空間内においての拡張であるため,本成果を多次元化することが今後の2つめの課題として挙げられる。

Causes of Carryover

次年度使用額が生じた最も大きな理由は,予定されていた研究会,学会または国際会議での発表が,新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により,軒並み中止となったことである。こうした事態を受けて,旅費の未使用金が発生した。その一方で,研究自体はおおむね順調に進められており,研究成果物としての論文も発表されていることから,次年度以降に関連の深い研究会,学会あるいは国際会議にて研究発表を順次行う予定である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2020

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results,  Open Access: 1 results)

  • [Journal Article] Evaluation of the One-Dimensional Lp Sobolev Type Inequality2020

    • Author(s)
      Kazuo Takemura and Yoshinori Kametaka
    • Journal Title

      Mathematics

      Volume: 8 Pages: -

    • DOI

      10.3390/math8020296

    • Peer Reviewed / Open Access

URL: 

Published: 2021-01-27  

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