2019 Fiscal Year Annual Research Report
Study of a crack growth model with Hydrogen-embrittlement effect
Project/Area Number |
17K05378
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Research Institution | Musashino University |
Principal Investigator |
高石 武史 武蔵野大学, 工学部, 教授 (00268666)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 水素脆化 / フェーズフィールド / 数理モデル / 数値シミュレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度行った、水素脆性を伴った開口き裂の数理モデルにおいて、数値シミュレーションによる水素の拡散分布とそのき裂進展への影響の検証を行った。その結果,拡散係数の大きさとバランスにより、き裂先端近傍に水素濃度の高い領域が現れなくてもき裂進展は加速されることが示され、材料表面や損傷箇所では水素原子濃度の上昇に伴う破壊靭性の低下により拡散が加速することが確認された。また、これまで用いていたモデルではき裂先端近傍での水素濃度分布上昇の効果があまり明確に出なかったため、数理モデルに静水圧による水素凝集効果の項を加えてその影響について数値シミュレーションで調べたところ,水素の凝集効果が有効になるパラメータ範囲は非常に狭い可能性が示唆された。この結果については2019年9月の応用数理学会年会にて発表した。また,材料中の穴から水素原子が拡散する場合の開口モードき裂進展など、ここまでの研究成果をまとめて2019年12月のAPCOMにおいて発表した(Keynote speech)。また、開口モードのき裂進展に関する成果は、金沢大学木村氏らと共著の論文の一部として投稿中である。 本研究においてFreeFEM を用いた 3 次元のき裂進展数値シミュレーションを効果的に行うために、大阪大学鈴木氏の助言を受けて、領域分割モジュール hpddm を用いたシミュレーションコードの開発を行った。単純な脆性破壊モデルの3次元コードの書き直しは進み、テストランを行いながら効果を調べている。並列計算コードの開発と実行、およびデータの解析のために、前年度購入したデータ解析用PC(1CPU静音ワークステーション)にCPUとメモリを追加し、さらに大容量データ保存用のディスクサーバも購入して計算機環境を整えながら研究を進めた。
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