2017 Fiscal Year Research-status Report
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17K05379
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Research Institution | The Institute of Statistical Mathematics |
Principal Investigator |
加藤 昇吾 統計数理研究所, 数理・推論研究系, 准教授 (60468535)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 統計数学 / コピュラ / 方向統計学 |
Outline of Annual Research Achievements |
1年目にあたる平成29年度には、新たな2次元トーラス上のデータのためのコピュラの提案およびその統計的性質・推測の考察を行った。そして、提案したコピュラは、Wehrly and Johnson (1980)のモデルでは成しえなかった中央や裾付近での多様な依存関係を表現することが可能となることを示した。また、このコピュラは、分布関数や確率密度関数が陽に表せること、パラメータの解釈が容易であること、dependence measureが簡潔に表現できること、最尤法に基づくパラメータ推定が数値的に求めることができることなど、扱いやすい多くの性質が成り立つことを明らかにした。
コピュラを導いたアイデアについて述べる。コピュラの提案にあたっては、研究代表者の過去の研究結果(Kato and Jones, 2015)のアイデアの一部を活用した。Kato and Jones (2015)による論文「A tractable and interpretable four-parameter family of unimodal distributions on the circle」(Biometrika, 102巻, 359-370頁, 2015年)では、円周上の新たな非対称分布を提案し、その統計的性質を調べている。この研究そのものはコピュラとは直接関係はないが、この論文の着目すべき点は、分布の導出を特性関数(より正確にはtrigonometric moment)の特徴付けによって行った点にある。この特徴付けにより、分布の平均方向・集中度・歪度・尖度を柔軟に調節することが可能となっている。研究代表者は、このアイデア(特性関数による特徴付け)を生かして、上述の2次元トーラス上のデータのためのコピュラを得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
進捗状況は、「おおむね順調に進展している」とした。これは、交付申請書の「研究の目的」と「研究実施計画」に概ね記載した通りに研究が進展しているためである。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は、新たな2次元シリンダー上のデータのためのコピュラの提案を目指す。(2次元シリンダー上のデータとは、1つの実数値と1つの角度のペアのデータのことをいう。)そして、提案したモデルの統計的性質と推測を考察する予定である。また、変量間の依存関係に関して考察し、特に中央や裾付近の依存関係について既存のモデルとの比較を詳しく行う計画である。
平成31年度には、上記の2次元シリンダー上のデータのためのコピュラおよび平成29年度に提案した2次元トーラス上のデータのためのコピュラに対して、Aas et al. (2009)による多変量コピュラ構成法を応用することにより、角度の観測を含む多変量データのためのコピュラを提案することを目指す。そして、提案したコピュラについて統計的性質と推測を考察する予定である。
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[Presentation] Statistics of circular data2017
Author(s)
Shogo Kato
Organizer
The 26th South Taiwan Statistics Conference, 2017 Chinese Institute of Probability and Statistics Annual Meeting and Chung-hwa Data Mining Society Annual Meeting
Int'l Joint Research / Invited
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