2017 Fiscal Year Research-status Report
強輝線天体の大規模探査による大質量銀河の星形成終焉の物理メカニズムの解明
Project/Area Number |
17K05386
|
Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
鍛冶澤 賢 愛媛大学, 理工学研究科(理学系), 准教授 (60535334)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 銀河進化 / 可視光観測 |
Outline of Annual Research Achievements |
COSMOS領域のすばる望遠鏡/Suprime-Camおよび可視中帯域フィルターセットを用いた観測データと多波長データを組み合わせて選び出した赤方偏移が3程度と推定される大質量強ライマンα輝線銀河(Massive Extremely Strong Lymanα Object; MAESTLO銀河)について、すばる望遠鏡およびFOCASを用いた可視分光フォローアップ観測を行い、気象条件の悪い中ではあったものの観測データを取得することができた。この観測データの解析を行い、これらの天体の赤方偏移を分光同定することができた。 また、この結果に基づき、これらの天体のライマンα輝線速度プロファイルおよび静止系紫外域の他の輝線フラックスを測定して、これらの星形成が終わりつつある大質量銀河におけるガスの物理状態を調べるための可視分光観測提案を作成・提出し、すばる望遠鏡およびFOCASの観測時間を獲得することができた。割り当てられた観測スケジュールに対応した具体的な観測計画の立案および観測準備を行った。また、これらの銀河の静止系可視光の輝線を近赤外線分光観測することについて、どの望遠鏡/観測機器でどのような観測が可能かの検討も進めた。 さらに、平成29年6月に京都大学にてCOSMOSプロジェクトのチーム国際会議を開催し、COSMOS領域での多波長にわたる観測プログラムの最新状況について関係する研究者達と情報を共有するとともに、今後の観測計画や研究方針について議論を行った。80名以上の参加者があり、盛況な研究会となった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画していたとおりの上記MAESTLO銀河の可視分光フォローアップ観測を行うことができた。平成29年の観測では悪天候により観測目的の完全な達成はできなかったものの、その結果に基づきさらなる観測時間を獲得でき、引き続き必要な観測を実施する目処が立っている。 また、COSMOSプロジェクトのチーム会議を開催して、COSMOS領域における多波長観測の最新情報を得るとともに、今後の計画を議論することができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
獲得した観測時間でMAESTLO銀河の可視分校フォローアップ観測実施してライマンα輝線プロファイルおよび静止系紫外域の輝線フラックス比を調べて、星形成が終わりつつある大質量銀河でのガスの物理状態を明らかにする。 また、近赤外線や電波の波長帯の観測計画の立案を進めて、すばる望遠鏡やALMA望遠鏡の観測時間の獲得を目指す。
|
Causes of Carryover |
すばる望遠鏡の共同利用観測のための出張が年度をまたぐ形になったため、一部次年度出張費として持ち越しになった。
|
Research Products
(1 results)