2019 Fiscal Year Research-status Report
強輝線天体の大規模探査による大質量銀河の星形成終焉の物理メカニズムの解明
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17K05386
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
鍛冶澤 賢 愛媛大学, 理工学研究科(理学系), 准教授 (60535334)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 銀河進化 / 可視光観測 |
Outline of Annual Research Achievements |
COSMOS領域のすばる望遠鏡/Suprime-Camおよび可視中帯域フィルターセットを用いた観測データと多波長データを組み合わせて選び出した赤方偏移が3程度と推定される大質量強ライマンα輝線銀河(Massive Extremely Strong Lymanα Object; MAESTLO銀河)について、Keck望遠鏡DEIMOSによる可視分光観測の時間を獲得し、1月に観測を実施した。天候にも恵まれ、予定どおりの観測データを取得することができ、データの1次処理も終えた。ライマンα輝線の輝度プロファイルの詳細解析等を今後進める。 銀河の形状と星形成史の関係を明らかにするために、COSMOS領域におけるz<1の銀河の3次元形状の進化とその星質量および比星形成率の依存性を調べた研究について、結果をまとめて論文として出版した。また、銀河の星形成の終焉とダークマターハローの関係を調べるために、同じ銀河サンプルの空間分布のクラスタリング解析を行い、クラスタリング強度の星質量および星形成率依存性を詳細に調べた。星質量の大小によって、クラスタリングの星形成率依存性には大きな違いがあることが分かった。 高密度環境における大質量銀河の進化の様子を調べるために、z~2.4の53W002原始銀河団領域の可視近赤外線撮像データセットを用いた銀河のSED解析を進めた。銀河団の中での場所によって、活発に星形成を行っていたり、すでに星形成が強く減衰されてたりと、大質量銀河の進化段階に違いが見られた。今後分光データも合わせた解析を進める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでに複数回実施したものの悪天候によりデータが取得できていなかったMAESTLO銀河の可視分光データを取得することができた。データの質も十分高く、今後ライマンα輝線の輝度プロファイル解析等を進める。また、銀河の3次元形状と星子形成史・星質量集積史の関係を調べた研究を論文として出版することができた。一方で、論文の準備を進めていたバースト的な星形成を起こしている銀河の性質についての研究は論文出版までには至らなかった。しかし、これらのバースト的な星形成を持つ銀河の形態についての調査も進んで、新たな知見を得ることもできている。また、高赤方偏移の原始銀河団領域における大質量銀河の性質調査や、z<1の銀河のクラスタリングの星質量および星形成率依存性を調べる詳細解析、z~0.8のクランピー銀河のガス金属量調査では新たな結果を得ることができており、今後論文化を進めていく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
取得したMAESTLO銀河の可視分光データを使って、ライマンα輝線の輝度プロファイル解析を行い、星形成が終わりつつある大質量銀河でのガスの力学状態を調べる。中帯域フィルターを用いて発見したバースト的な星形成を持つ銀河の進化についての研究論文を出版し、さらにそれらの銀河の形態について調べた結果の論文化も進める。また、高赤方偏移の原始銀河団領域における大質量銀河の性質調査や、z<1の銀河のクラスタリングの星質量および星形成率依存性を調べる詳細解析、z~0.8のクランピー銀河のガス金属量調査についても、データ解析の詳細を詰めて、論文の準備を進める。
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Causes of Carryover |
研究の進捗状況の影響で論文出版費が予定よりも少なくなった。また、新型コロナウイルスの影響で3月に予定されていた学会・研究会がキャンセルとなり、旅費として計上していた経費を支出しなかった。これらの論文出版費・旅費については次年度に使用予定である。
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Research Products
(4 results)