2017 Fiscal Year Research-status Report
Observational Studies of Atmospheric Components of Protoplanets and Origin of Planet Atmosphere
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17K05399
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
秋山 永治 国立天文台, チリ観測所, 特任助教 (30647623)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 天文学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、惑星系の前駆天体のガス成分を観測し、地球型惑星の大気として取り込まれるガス成分が、生命関連有機物やアミノ酸の効率的な生成が可能な還元型か否かを明らかにすることを目的としている。
本研究の足がかりとなる国際競争率の激しいアルマ望遠鏡の観測提案が採択されており、平成29年度は、それらのデータ解析および平成30年度に計画されている観測提案の準備を進め平成30年4月に提出した。また、新たな観測手法の可能性があることが分かり、次年度の観測に提案できないかシミュレーションを行ない検討を進めている。これまでの研究進捗として、レビューを兼ねた研究発表をベトナムの国際学会で発表した。さらに、理論研究者と共同でシミュレーションによる解析を行ない、過去の観測結果のまとめを含めて日本天文学会年会、日本惑星科学会、日本地球惑星連合大会(平成29年度はアメリカ地球物理学連合との共同開催のため国際学会となっている)で発表し、これまでの進捗成果をまとめた内容で、学術雑誌(日本惑星科学会誌、アストロフィジカル・ジャーナル)に論文を2件出版した。本研究に関連した内容で平成29年9月に日本惑星科学会から最優秀研究者賞を受賞した。
今後は平成30年度のアルマの観測提案及び観測が予定されているデータ解析を行ないつつ、アルマの公開データを調査し、データの蓄積を図る。そして、現在所属している系外惑星探査チーム及びアストロバイオロジー分野の専門家と協力しながら、研究結果を論文にまとめていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究は、アルマ望遠鏡による観測が不可欠である。観測提案が採択され、平成29年10月頃に観測予定であったが、観測所側の都合により観測が実行されていない。次回の観測は平成30年9月頃となっており、本研究の要である観測データの取得が遅れている。このため、当初計画していた予定で観測データの解析を進めることが困難な状況となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
観測所の都合によりアルマの観測が遅れている状況を考え、過去の観測で得られたアルマ観測の公開データの調査を中心に進める。加えて、最悪の場合、観測が実行されない可能性が考えられるため、当初の計画には無なかったが、急遽平成30年度のアルマの観測提案を用意した。こちらは平成30年4月に提出済みである。アルマ観測の公開データを調査した後、所属している系外惑星探査チームおよびアストロバイオロジーの専門家とデータを共有し、協力しながら観測、実験、シミュレーションの結果をまとめる。そして、新たに得られた惑星大気成分に関し、引き続き論文を出版する。
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Research Products
(11 results)