2022 Fiscal Year Annual Research Report
Deciphering gravity through quantization of superstring field theory
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17K05408
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大川 祐司 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (10466823)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 弦の場の理論 / ホモトピー代数 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度の研究で、ホモトピー代数を用いたスカラー場の理論の相関関数の表式を発見し、Schwinger-Dyson 方程式を満たすことを示したが、私が指導教員を担当している大学院生である鴻巣氏との2022年度の共同研究で、ホモトピー代数を用いた Dirac フェルミオンの理論の相関関数の表式に拡張することに成功し、共著論文を執筆中である。フェルミオンの相関関数の反対称性を実現するため、弦の場の理論において弦の場を用いて成分場を記述する方法に類似した方法を採用したが、その方法はボソンとフェルミオンを統一的に表現できる極めて汎用性の高い表式であることが分かった。
新型コロナウイルスの感染拡大の影響で対面での開催ができなかった弦の場の理論の分野の国際会議がようやく開催され、2021年度から繰り越した研究費を用いて参加してホモトピー代数を用いたスカラー場の理論の相関関数の表式についての研究成果を発表した。その国際会議での議論でもともと考えていた目的以外にも様々な方向に研究が展開できることが分かり、国際共同研究が進行中である。
開いた弦の場の理論を用いて一般相対性理論を含み非摂動的に定式化された量子論の構築を目指すという本研究課題の研究の目的については、少なくともボソニックな弦理論に関しては、タキオンが存在して不安定であるという超弦理論では解消できると期待される問題を除いては開いた弦の場の理論にゲージ不変演算子のソース項を付け加えた作用で実現することができ、その際、ホモトピー代数が有用であるということが分かったことが決定的に重要な研究成果であった。開いた超弦の場の理論への拡張に向けて重要な研究が別の研究グループによって進展しており、また、ホモトピー代数を用いて量子論を記述する方法の整備が順調に進んでいて、想定していた以上に研究の方向性が広がってきている。
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Research Products
(5 results)