2020 Fiscal Year Research-status Report
New Physics Search via Higgs Particle
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17K05415
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
波場 直之 島根大学, 学術研究院理工学系, 教授 (00293803)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ヒッグス / レプトンフレーバー / ニュートリノ / 異常磁気能率 |
Outline of Annual Research Achievements |
レプトンフレーバーに依存するU(1)対称性を課し、荷電レプトンの各世代に結合するヒッグス2重項を3個導入することによって、荷電レプトンの質量階層性を説明できる模型を提唱した。このU(1)対称性を電荷+1だけソフトに破ることにより、ヒッグスの真空期待値に階層性が生じ、荷電レプトンの質量階層性が自然に説明できる。この模型では、電子とμ粒子に結合するヒッグス粒子が異なるため、別々のヒッグス粒子が電子とμ粒子の異常磁気能率へ寄与する。この模型では、μ粒子の異常磁気能率実験の標準模型からのずれを2σで説明できるが、電子の磁気磁気能率実験の標準模型からのずれは2σで説明できないことを示した。 また、「neutrinophilic Higgs + seesaw model」と呼ばれる、右巻きニュートリノが、微小な真空期待値を持つ新たなヒッグス場とのみ結合し、かつマヨラナ質量も持つ模型を調査した。そして、この模型における荷電レプトン・フレーバーを破る過程の予言を行なった。具体的には、μ→eγ過程の現在の実験的制限に抵触しないパラメータ領域を特定した上で、同領域でのμ→3e, μ+Al→e+Al, μ+Ti→e+Ti, Z→eμ, Z→eτ, Z→μτ, h→eτ, h→μτ過程の予言を行い、これらの過程の将来の観測可能性を議論した。 さらに、くりこみ可能なGUTのヒッグス表現に関して、最小限、あるいは、準最小限の場合を系統的に調査することで、高エネルギーにおけるYukawa相互作用の研究をおこなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画していた研究に加え、ヒッグス粒子から探るBSMの研究として、新たに、μや電子の異常磁気能率の実験結果を説明する新しいヒッグスを導入した機構も調査できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
さらに、ヒッグスに注目したBSM探求の研究をすすめる。
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Causes of Carryover |
研究打ち合わせが延期になったため次年度使用額が生じた。解析の問題点を早急に解決するために、研究員を雇用して、研究を遂行し新しい成果を出す。
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