2018 Fiscal Year Research-status Report
Study of the Cosmological Roles of Extragalactic Active Objects
Project/Area Number |
17K05460
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
井上 進 国立研究開発法人理化学研究所, 数理創造プログラム, 研究員 (80413954)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 高エネルギー宇宙物理学 / 観測的宇宙論 / マルチメッセンジャー天文学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の目的は、活動銀河核 (AGN)・ガンマ線バースト (GRB)・高速電波バースト (FRB) などの銀河系外活動天体の宇宙論的役割について、多角的な研究を推進することである。平成30年度の主な成果は以下の通りである。 1. IceCube天文台によって検出された高エネルギーニュートリノIC-170922Aの対応天体として、明るいブレーザー (ジェットを伴う活動銀河核の一種) TXS 0506+056が発見された (IceCube, Fermi-LAT, MAGIC Collaboration et al)。これを受け、このブレーザーのマルチメッセンジャー観測(多波長電磁波およびニュートリノの観測)の整合的な解釈として、ジェットの空間構造を考慮した理論モデルを構築した (Ansoldi, Bernardini, Bhattacharya, Inoue et al.)。 2. 上記観測の解釈として、いくつか別の可能性も検討し、ガンマ線においてハドロン放射が卓越するモデル(Cerruti, Zech, Inoue et al.) や、外部種光子による逆コンプトン放射モデル (Righi, Tavecchio & Inoue)なども提唱した。 3. 中性子星連星合体GW170817の重力波・電磁波による発見を受け、中性子星合体におけるr過程重元素合成の検証方法として、X線高分散分光観測の可能性を提唱した(論文準備中)。 4. 高エネルギーガンマ線観測を推進するMAGIC Collaborationにおいて、突発天体サイエンスグループのリーダーとして、上記以外にもGRB、FRB、AGNなどの観測および理論解釈を進め、最新の成果を国際会議などで発表した (各論文準備中)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
交付申請時の研究実施計画では、1) AGNウィンド・フィードバックに伴う非熱的放射、および 2) FRBの電波分散を用いた宇宙再電離の探査法、が二つの大きな課題であった。1) に関しては、最初の論文を完成し、引き続き他の側面の研究も継続中である。2) については論文の完成が遅れている一方、平成30年度中には、当初予想していなかった大きな観測的進展として、MAGIC望遠鏡によるGRBからのTeVガンマ線の発見があった。この進展を受けて新たな研究を開始したため、すでに進行中であったFRBの研究がやや遅れることとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
まず、遅れている、FRBを用いた宇宙再電離探査に関する論文や、中性子星連星合体におけるr過程元素合成のX線による診断法の論文を完成させる。さらに、平成30年度中に開始した、GRBのTeVガンマ線放射の研究を進展させ、論文を完成させる。その後、当初の平成30年度以降の研究計画にあった、AGNウィンドにおける超高エネルギー宇宙線加速や、非熱的放射を通じた銀河フィードバック機構の探査などの課題に取り組む。
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Research Products
(26 results)
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[Book] Science with the Cherenkov Telescope Array2019
Author(s)
J A Hinton, R A Ong, D Torres, R C G Chaves, R Mukherjee, D Mazin, L Gerard, J E Ward, P Giommi, A M Brown, S Inoue, M Ribo, E Bernardini, V Connaughton, J Granot, S Markoff, P O Brien, F Schussler, A Zech, J Biteau, M Daniel, T Hassan, E Lindfors, M Meyer
Total Pages
364
Publisher
World Scientific Publishing
ISBN
978-981-3270-08-4
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