2019 Fiscal Year Annual Research Report
Development of new techniques for next generation of dark matter search detectors
Project/Area Number |
17K05465
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小林 兼好 東京大学, 宇宙線研究所, 特任助教 (70466861)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 暗黒物質 / キセノン / 表面バックグラウンド |
Outline of Annual Research Achievements |
物質表面に放射性不純物、特にPb210の付着のメカニズムの理解ができ、また付着のさせない方法の見通しがたった。エリア除電機により空気中のイオン化した放射性不純物が除去できることを利用し物質表面にPb210を付着させない新しい方法を確立する見通しがたった。空気中ラドン濃度と空気中のイオンの数の経年測定を続けた。ラドン濃度とイオンの数に大きな相関があり、ラドン娘核はある程度の時間、空気中でイオンのまま存在することがわかり、坑内環境ではラドン娘核のイオンがイオンの主成分であることがわかった。そのためより効果的なパラメータ選択によりエリア除電により除去できる見通しがたった。
また、放射性不純物のなかでもさまざまな実験でバックグラウンド源となる空気中ラドンの濃度測定の静電捕集型検出器の感度向上にむけてテストを行った。主なバックグラウンドは検出器そのものの部材であるステンレスから出てくるラドンであることからステンレス表面を銅電鋳で覆い放出させないことをテストした。1度目のテストでは銅電鋳をしたことでバックグラウンドが逆に増えた。銅自体は放射性不純物が少ないことから銅電鋳のやり方を改良することが必要と思われ、2度目のテストではスラグが付きづらくする改良を加えおこなったところバックグラウンドは銅電鋳なしと同程度までは減少した。今後さらに銅電鋳の方法を改良すればバックグラウンドが落ちることが期待される。
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