2021 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a fiber tracker for next-generation muon-to-electron conversion search experiments
Project/Area Number |
17K05470
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
清矢 良浩 大阪市立大学, 大学院理学研究科, 教授 (80251031)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | プラスチックシンチレーションファイバー / MPPC / 応答時間 |
Outline of Annual Research Achievements |
・大量の荷電粒子(バースト)照射によるプラスチックシンチレーションファイバー+MPPC読み出し系の飽和現象の理解を進め,飽和から数 100 ns 程度で動作復帰し,単一荷電粒子検出が可能なファイバー飛跡検出器開発のための要素技術開発研究を継続した. ・このような技術は大強度ビーム照射後に生成される遅延荷電粒子が新物理の信号となる場合,バースト耐性が高い検出器の実現に直結し,費用対効果が非常に高い実験が提案可能になる. ・直径 0.1 mm のプラスチックシンチレーションファイバーを複数本束ねたバンドルにバーストを照射すると,MPPC読み出しの出力に回復時間が遅い飽和現象が存在することが確認されている.これまでの研究から,この原因はシンチレーションファイバーの発光機構にあるのではなく,MPPCの特性である可能性が高いことが示されている. ・さらに,昨年度は,バースト照射のタイミングにおいてMPPCへの逆バイアス印加電圧をオフにしておき,遅延タイミングでオンにした場合(バイアス電圧スイッチング)の出力をみたところ,大きな変化がないとことが分かった. ・今年度は,バイアス電圧スイッチングをしても出力波形が変化しない原因として,印加電圧にかかわらず大量の電子・ホールペアが空乏層で生成され,それらが滞留することによって,バイアス電圧印加後にそのまま信号として出力される可能性を考え,順方向電圧から逆バイアス電圧にスイッチする特殊なスイッチング回路を製作し,バーストに対する応答を探ることにした. ・その結果,順方向から逆バイアスに印加電圧をスイッチした際,MPPCの状態変化の時間スケールが 40 マイクロ秒程度と非常に大きいという新たな知見が得られた.印加電圧スイッチングという時間的揺動に対する半導体検出器の物性的性質の時間的発展に関するより詳細な研究が必要であることが明らかになった.
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Research Products
(1 results)