2017 Fiscal Year Research-status Report
A new measurement of 8Li(a,n)11B-reaction cross section
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17K05472
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Research Institution | Osaka Electro-Communication University |
Principal Investigator |
溝井 浩 大阪電気通信大学, 工学部, 准教授 (30388392)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ビッグバン元素構成 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の成否は、8Li(α,n)11B反応で発生する低エネルギーの中性子線を検出できる検出器の開発にかかっている。今年度は、当初の予定通りに、6Liをドープしたガラスシンチレータと光電子増倍管を購入し、中性子検出器を製作した。β線源およびγ線源による試験を行い、十分な信号強度と遮光性能を確認し、放射線検出器としての動作確認を行った。 本実験では、同時に、比較対象のために高エネルギーの中性子線の検出も行う必要がある。高エネルギー中性子線検出のためのプラスチックシンチレータについては、高エネルギー研究所の協力により導入ができることを確認した。 合わせて、5umのNiフォイルによるビーム入射窓を持つ、4Heガスを封入するガス容器を製作し、ガスを封入できることを確認した。また、入射させる8Liビームのエネルギー測定のために、ガス容器内にSi検出器を導入できるようにフランジを追加した。 理化学研究所RIBFの研究課題採択委員会へ、本研究で提案している8Li(α,n)11B反応断面積の実験計画を提出し、本課題の実験が採択された。RIBFにおける低エネルギーRIビーム発生装置CRIBは、東京大学原子核科学研究センターが維持管理を行っている。東大のグループと打ち合わせを進め、実験を行う上での設備の運転や人員などについて、協力を得られる体制作りを進めた。 本実験で必要な8Liビームの生成を行うために、イオン光学や収量について慎重な計算を行い、実験において十分な統計量を得られる条件を求めることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験に必要な機材の購入および製作が予定通りにすすんでいる。また、実験課題が理化学研究所で採択され、平成30年度の後半には実験が可能な状態にある。
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Strategy for Future Research Activity |
実験機材を理科学研究の加速器施設に搬入し現地でのセットアップを行う。平成30年度後半にはビーム照射実験を行い、本課題で目的としている実験データを収集する。
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Causes of Carryover |
2018年1月に理化学研究所において実験を行うことが決定した。また理化学研究所において、実験のためのビームタイムが2018年の9月と定められた。これらの事情により、一部の予算の執行を2018年度へ繰り越した。 繰り越し分と今年度受領予定の助成金は、実験機材を理化学研究所へ送るための輸送費、実験のための旅費、および補充用の消耗品の購入に使う予定である。
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Research Products
(3 results)