2019 Fiscal Year Annual Research Report
Various ordering states in photo-induced phase transitions and the effect of the elastic interaction in the dynamics
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17K05508
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
西野 正理 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 先端材料解析研究拠点, 主幹研究員 (80391217)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮下 精二 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 名誉教授 (10143372)
末元 徹 公益財団法人豊田理化学研究所, フェロー事業部門, フェロー (50134052)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 光誘起相転移 / 弾性相互作用 / 長距離相互作用 / 準安定状態 / フラストレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
Low spinおよびhigh spin分子の交替相が中間温度で実現して2段階転移を示すスピンクロスオーバー系のモデル化を行い、モンテカルロ法による温度対外場相図の解析を行った。そして、反強磁性様短距離相互作用と弾性相互作用由来の長距離相互作用との競合の効果により、角(つの)型の異常な構造が出現することを発見した。さらにクラスター平均場などの解析により、角型構造の出現における局所揺らぎの重要性を指摘し、強磁性様相、反強磁性様相、無秩序相が共存する三重点の存在や角型構造に関わる6つの3重安定領域の存在などの重要な性質を明らかにした。さらに、三角格子スピンクロスオーバー系においても、電子状態変化に伴う格子変形の効果を含んだモデルを構築し、温度対外場相図を作成した。次近接相互作用がある場合、弾性力が弱いと相図は2つの臨界線とKT相線がゼロ磁場で交わるのに対して、弾性力が強いと2つの臨界線とフェリ様相の共存線が交わる構造に変化する。次近接相互作用が無い場合、低温でもゼロ磁場付近で無秩序相が広がり、準安定領域は極めて狭くなる。この相互作用の大きさによる相図の定性的変化により、三角格子では11種類の1から4段階の温度誘起相転移が可能になることを理論的に示した。さらに光誘起相の出現に関する非線形効果や閾値特性について、解析方法の研究をレンヌ大などと共同で進めた。特に、光励起後のスピンと格子の緩和過程のダイナミクスの定式化と確率過程による時間発展の計算方法の開発を進めた。
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Research Products
(19 results)