2021 Fiscal Year Annual Research Report
Photoinduced phase transition described by Hilbert space anomaly and quantum friction
Project/Area Number |
17K05509
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
岩野 薫 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 研究機関講師 (10211765)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 光誘起相転移 / 電荷秩序 / 電子運動量制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題においては、全体を通じて、ハイブリッド秩序という新しい電荷秩序の発見し、また光励起によるそのような電荷秩序の出現の可能性ついて明らかにした。また、ドメイン励起の運動量依存性やドメイン運動に対する散逸効果,特にドメイン成長への摩擦メカニズムにについても詳細に解析した。
本年度においては、特に2次元電荷秩序系において見出される様々な秩序相における全電子運動量の問題について考察した。2次元であるので、運動量も2成分となるが、それを(Kx, Ky)と書くと、その完全秩序状態における値は、各状態と格子形状で決まってしまう。例えば、6×6格子では、vertical stripe,において(π, 0), (0, π)のいずれかであり、これらはx, yの等方性より容易に想像されるようにエネルギー縮退している。一方、diagonal stripe においては(π, 0), (π, π)であり、これらは非縮退である。この事を考慮すると、例えば、基底状態がdiagonall stripe の場合、光誘起効果によって vertical stripe に変換しようとした場合、始状態が(π, 0)なら運動量の変化無し(可視光に対応)で変換出来るが、(π, π)なら変換出来ないと言う著しい特徴がある。なお、そのような場合でも運動量の変化が許される場合、例えば、非弾性X線・中性子散乱の場合は変換が可能になると考えられる。なお、以上は6×6格子の場合の完全秩序から完全秩序への変換の場合なので、一般の場合にどうなるかなどまだまだ探求すべき事は多いが、有限運動量に視野を広げた光誘起動力学の問題として興味深く、今後はこのような可能性についてさらに探求する。
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Research Products
(3 results)