2022 Fiscal Year Annual Research Report
Study of D-Branes in Linear Sigma Models
Project/Area Number |
17K05567
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
堀 健太朗 東京大学, カブリ数物連携宇宙研究機構, 教授 (30535042)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 線形シグマ模型 / Dブレーン / 次数制限則 / 半球面分配関数 / 収束条件 / 積分路の族 |
Outline of Annual Research Achievements |
ゲージ化された線形シグマ模型(GLSM)におけるDブレーンを解析することにより、これまで手の届かなかった「非幾何学相」や「強結合相」における超弦理論の基本的な理解を得ることがこの研究の目的である。そのために、異なる相を道で繋いだときDブレーンがどのように輸送されるかを決定する「次数制限則」を得ること、強結合相においてDブレーンが低エネルギーでどのように振舞うかを理解すること、が重要である。
次数制限則は半球面上の分配関数を表す積分が収束する条件から導出するが、これまでの研究では収束の判定をMathematicaを用いた数値計算に頼っていた。令和4年度の研究で、収束条件を解析的に決定することに一部成功し、相を繋ぐ道に沿った絶対収束する積分路の族を具体的に数式で表すことが出来るようになった。また、Rodland模型の双対理論について以下の新たな理解を得た。前年度までの研究で扱った理論はスーパーポテンシャルに2次で入る場を積分除外した簡約化した理論であったが、簡約化の程度が強すぎたために「弱結合相」と思っていた相でゲージ対称性が完全には破れていないことが分かった。したがって簡約化する前の理論を本当の「双対Rodland模型」と考える必要がある。その理論においても次数制限則とモノドロミーは前年度までと同様に決定することが出来、モノドロミーの幾何学的表現は簡約化しすぎた理論によるものと同じとなることが分かった。また、弱結合相においても、収束する積分路の存在条件から非自明な次数制限則が必要であることに気づいた。ゲージ対称性が完全に破れるためにスーパーポテンシャルが必要であることにその原因があることを突き止めた。
|
Research Products
(1 results)