2017 Fiscal Year Research-status Report
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17K05572
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
町田 学 浜松医科大学, 光尖端医学教育研究センター, 指定講師 (40396916)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 輻射輸送方程式 / チャンドラセカールH関数 |
Outline of Annual Research Achievements |
多次元輻射輸送方程式の解に現れる固有モード間の、双直交関係を得ることを目指した。一次元の場合にはこの固有モードは特異固有関数と呼ばれる超関数を使って書かれるが、本研究の固有モードは多次元版の特異固有関数を用いて得られる。全角度で積分する場合の直交関係は全領域の直交関係と呼ばれ、すでに重み関数がわかっている。ところが、境界がある場合には半領域の直交関係が必要である。多次元の輻射輸送方程式については、半領域の(双)直交関係にどのような重み関数が登場するか、まったく未知の状況である。一次元理論から、非等方散乱の場合にはさらに、双直交の関係が必要なことが予想される。多次元輻射輸送方程式の解を得るためには、解を固有モードで展開して、その展開係数を求める必要がある。展開係数を計算するために、直交関係や双直交関係を確立することが必須になる。
全領域の場合には、一次元輻射輸送方程式の全領域での直交関係にヒントを得て二次元や三次元の輻射輸送方程式の全領域直交関係が得られた。そこで本年度は、一次元等方散乱の輻射輸送方程式における半領域の直交関係を見直した。一次元の場合には、半領域の直交関係の重み関数にチャンドラセカールのH関数が現れることが知られている。したがって多次元においてもチャンドラセカールのH関数が登場することが予想される。しかし、一次元での半領域直交関係の計算に、一次元の特殊性を利用した導出は今の場合役に立たない。最終的に、チャンドラセカールのH関数を使って多次元輻射輸送方程式の積分項を書き換えるところから出発すると見通しが良いことがわかり、多次元に拡張可能な導出を整備した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
一次元の輻射輸送方程式における半領域の直交関係は既知ではあるが、X関数を使うものやH関数を用いるものなどいくつかの流儀があり、また、その導出もいろいろである。想定以上に時間を要したが、多次元への拡張に際して見通しのよい一次元の理論を整備することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
等方散乱の場合の三次元への拡張が鍵であり、これが成功すれば研究が一気に進展することが期待される。29年度に行った下ごしらえの計算を元に、今後は三次元等方散乱の場合の半領域直交関係を確立したい。
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