2019 Fiscal Year Research-status Report
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17K05572
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
町田 学 浜松医科大学, 光尖端医学教育研究センター, 指定講師 (40396916)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 輻射輸送方程式 / 光トモグラフィー / 多孔質中の輸送 |
Outline of Annual Research Achievements |
境界がある場合の多次元の輻射輸送方程式の解析解については未だ道半ばである。しかしその一方で、輻射輸送方程式の解析解を利用した3次元FN法を光トモグラフィーの逆問題へ応用することができた。また、輻射輸送方程式の解析解の水文学への応用を見出すことができた。
3次元FN法に必要な固有モードは、3次元輻射輸送方程式の斉次式に対する解析解で与えられる。特に、解析解の角度部分の特異固有関数が互いに直交することを利用して、3次元FN法を構築できる。つまり、解を球面調和関数で展開したときの展開係数を数値的に求めるための線型方程式を得ることができる。光トモグラフィーのためには、輻射輸送方程式の係数決定逆問題を解く必要がある。Born近似により、2つの固有モードを掛け合わせた形で逆問題を定式化することができた。これを用いて、構造照射における光トモグラフィーの数値計算を実装した。
地下水の輸送が異常拡散を示すことは90年代初頭から指摘されているが、輸送の理論モデルについては未解決であり、未だに議論が続いている。この異常拡散を調べるもっとも簡単な実験が、砂や小石をつめた筒に水を流すカラム実験である。このカラム実験で観測される異常拡散が、輻射輸送方程式でよく合うことを発見した。このために、一次元輻射輸送方程式を移流を含む形に拡張し、その解析解を利用した解析的離散方位法によって解を数値的に求め、実験値と比較した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
解析解について難問が残っている一方、解析解の様々な応用を見出すことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
解析解の探索を続ける一方、すでに得られている解析解の応用も発展させていきたい。
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Research Products
(8 results)