2020 Fiscal Year Research-status Report
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17K05572
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
町田 学 浜松医科大学, 光尖端医学教育研究センター, 指定講師 (40396916)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 輻射輸送方程式 / 特異固有関数 / 回転座標法 / 空間振動数領域近赤外分光 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでに得ている輻射輸送方程式の解析解は固有モードの重ね合わせになっている。ところがこれらの固有モードはディラックのデルタ関数やコーシーの主値積分といった超関数を含み、直接数値計算するには向かない。固有モードを球面調和関数で展開することによって、解析解に基づく3次元輻射輸送方程式の近似解が得られる。 近年の研究により、近赤外線を空間的に振動させて照射すると侵入長が調節できることが知られている。この空間振動数領域におけるイメージングは深さ数mmが主なターゲットになるが、この領域の近赤外線は輻射輸送方程式に支配される。空間的に振動させた近赤外照射光による光学特性値の推定問題は現在のところ拡散方程式を近似的に用いて行われている。我々は解析解に基づく数値手法によって、輻射輸送方程式を使って光学特性値推定を行った。層構造を持つ生体を模したファントムを用いて実験を行った。最上層の幅は4mmである。輸送平均自由行程は1mm程度なのでこのとき、最上層の光伝播について、拡散近似は破綻している。ボルン近似やリトフ近似で光トモグラフィーを行う際は境界付近の光学特性値が必要になるので、この最上層の光学特性値を決定することが目標である。空間周波数を調節することで、近赤外線がこの最上層内で反射して4mmより深くは潜らないように設計することができる。こうすることで、最上層の吸収係数と散乱係数を決めることができた。輻射輸送方程式の解析解とそれに基づく数値手法が、実際の近赤外線の計測に役立つことを実証した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
境界がある場合の解析解については未解決である。しかし斉次方程式の解析解が求まることから数値手法を開発して、近赤外分光に適用することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
解析解の探索を続ける一方、解析解に基づく数値手法の開発にも力を入れたい。
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Causes of Carryover |
コロナ禍のために、計画していた出張が取り消しになったため。新型コロナの情勢をみながら使用計画を立てたい。
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Research Products
(8 results)