2021 Fiscal Year Research-status Report
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17K05572
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
町田 学 浜松医科大学, 光尖端医学教育研究センター, 指定講師 (40396916)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 輻射輸送方程式 / 特異固有関数 / 解析的離散方位法 / シミュレーテッドアニーリング |
Outline of Annual Research Achievements |
多孔質媒体を水とともに流れる分子の輸送が輻射輸送方程式に支配されることをさらに検証した。以前の研究では半空間について輻射輸送方程式の解を求めたが、今回は実験を反映して両端の境界を考慮した。実験では、砂などを詰めたシリンダー状の容器にターゲット分子をまぜた水を流す。実験状況から、1次元の空間における輸送を扱った。輻射輸送方程式の解は固有モードの重ね合わせとして求める。斉次方程式は解析的に解くことができ、固有モードは数値計算せずに得られる。このとき、輻射輸送方程式の積分項を離散方位法によって離散化しておくと、固有モードに超関数が現れない。時間に依存する輻射輸送方程式を解いたが、ラプラス変換によって時間に依存しない方程式に帰着させた後、逆ラプラス変換で時間に依存する解を得た。逆ラプラス変換には二重指数関数型数値積分公式を利用した。吸収係数・散乱係数の異なる様々な実験の結果と比較したところ、いずれの場合にも輻射輸送方程式の解とよく合うことがわかった。
光トモグラフィーの逆問題は非線型であり反復法におけるコスト関数は非常に複雑な多谷構造を持つ。反復法にかわる逆問題解法として、シミュレーテッドアニーリングの利用を検討した。この方法では、乱数を用いることで局所解から抜け出すことができる。最初の試みとして、輻射輸送方程式に対する拡散近似を用いた。拡散方程式による光トモグラフィーについてシミュレーテッドアニーリングの方法を試すことにより、この手法が有望であることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
時間に依存する方程式をラプラス変換によって時間に依存しない方程式に帰着させ、この方程式を解いた後で逆ラプラス変換を施す方法を確立した。これによって、時間に依存しない方程式に対する解析解を得た後に、実験結果などと比較することが可能になった。また、シミュレーテッドアニーリングなど、想定外の進展もあった。
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Strategy for Future Research Activity |
解析解を利用した数値手法の研究を続ける。また、境界がある場合の解析解について、引き続き検討を行う。
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Causes of Carryover |
コロナ禍のために、計画していた出張が取り消しになったため。新型コロナの情勢をみながら使用計画を立てたい。
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