2022 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of the microscopic mechanism that induces liquid-liquid transition
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17K05581
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
渕崎 員弘 愛媛大学, 理工学研究科(理学系), 教授 (10243883)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 高圧実験 / 6-6方式 / 非晶質状態間遷移 / 液ー液転移 / 放射光X線その場観察 |
Outline of Annual Research Achievements |
2つの成果が得られた。いずれも本研究で対象としたヨウ化錫の高圧下での放射光X線その場観察に関するものである。 1つ目は昨年度に進捗状況を報告した高圧プレスを用いた実験に供するジグの設計と開発に関する研究が完全に終了したことである。6-6方式による加圧実験の高効率化に関して我々が提案した方法(令和2年度研究実績概要にて報告、当該研究成果は既に出版済)は内外から注目され、プレスを利用する高圧実験研究者に広く採用されたが、それによりパーツのもつ弱点も明らかになった。加圧実験がブローアウト終了した際、以前の方式と異なり、パーツの再利用ができないのである。そこで、「使い捨て」可能なパーツ材料の探索と検証実験を2022年度内に終えることができた。現在、論文準備中である。 2つ目はヨウ化錫の圧力誘起非晶質化の直接観察である。これまでヨウ化錫の液-液転移に関して理論と実験の両面から研究を行って来た結果、準安定状態への遷移である、圧力誘起非晶質化現象を再訪せざるを得ないという結論に達した。この現象の圧力領域が15 GPa付近のため、先行研究ではダイヤモンドアンビルセル(DAC)が高圧発生に用いられてきた。DAC加圧による非静水圧性を改善すべく、マルチアンビルプレスにより、この圧力領域に到達する試料周りの設計を行い、高エネルギー加速器研究機構にてその場観察実験を行うことができた。この設計と開発においては博士課程学生が中心的な役割を果たし、この業績が認められた結果、令和4年度に学位取得することができた。実験結果、解析とその理論的解釈に関しては後続科研費課題にて報告を行った。
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Remarks |
上記成果「マルチアンビルプレスを用いて10 GPaを超える圧力発生と高温下でのX線その場観察実験が可能な高圧セルの作製」は本研究に研究協力者として参画した博士課程学生による学位論文であり、令和5年度内に愛媛大学リポジトリに登録され、公開されることになっている。
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Research Products
(1 results)