2017 Fiscal Year Research-status Report
Analysis on critical states of percolation transition on strongly correlated complex network multiplexes
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17K05590
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Research Institution | Kochi National College of Technology |
Principal Investigator |
谷澤 俊弘 高知工業高等専門学校, ソーシャルデザイン工学科, 教授 (60311106)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 複雑ネットワーク / 臨界現象 / 相転移 / 数値シミュレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は,ノード間結合に強い次数相関を持つネットワークに関する数値シミュレーションのためのソフトウェア開発を主に行った。本研究は,次数相関というネットワークの構造的側面が,そのネットワーク上における様々な臨界現象にどのように影響するかを詳細に考察することを目的としていることから,数値シミュレーションについては,複雑ネットワークでモデル化されるシステムの生み出す動的側面も含んで計算可能となるように留意した。 現在のところ,ネットワーク上の動的現象を表現する多変数時系列データのモデル化,およびそのネットワーク化,任意の次数相関を持つネットワーク複合系の生成等が可能になっている。 研究成果は,平成29年6月,アメリカ,インディアナポリスで開催されたNetSci2017,および,同年7月にイタリア,コモで開催されたInternational Summer Institute on Network Physiology,平成30年3月,東京理科大学野田キャンパスで開催された日本物理学会第73回年次大会などで発表された。 本年度の成果は,次数相関を持つネットワーク上における動的現象に関する詳細な数値計算を可能とするものであり,複雑ネットワークによってモデル化される対象が広がった。また,この成果により,平成30年度以降,解析的手法を用いた考察結果を数値シミュレーションによって検証することで,研究を着実に進めていくことが可能となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題は,解析的手法とその検証となる数値計算が両輪となって進むものであり,その一つの要素である数値計算のためのソフトウェアが順調に開発されていることで,続く年度において,解析的手法を用いた考察を検証することが可能となったため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は,平成29年度に開発された数値計算ソフトウェアを用いた検証を行いながら,解析的手法を用いて可能な限り厳密な理論的考察を行う。
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Causes of Carryover |
平成29年度は,既存の計算機資源上でも使用可能なソフトウェア開発に集中することとし,計画していた計算機等の導入を次年度以降としたため。繰り越した計算機等の導入は,平成30年度あるいは平成31年度に適切に行う。
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Research Products
(3 results)