2018 Fiscal Year Research-status Report
Unified comprehension of soft matter fracture based on nonlinear dynamics
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17K05609
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
田中 良巳 横浜国立大学, 大学院環境情報研究院, 准教授 (10315830)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高石 武史 武蔵野大学, 工学部, 教授 (00268666)
山口 哲生 九州大学, 工学研究院, 准教授 (20466783)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 粘弾性破壊 |
Outline of Annual Research Achievements |
実験面では,組み換え網目系の典型例の一つであるCTAB溶液にポリスチレンビーズを添加分散させてものを試料とし,試料に一軸伸長を印加したときの切断挙動と定常および非定常レオロジーとの対応を調べた.とくに,添加するビーズの体積分率を系統的に変えた.主たる実験結果は以下である.(1)粒子を含まないCTAB溶液でみられるストレスプラトー領域が,体積分率の増大に伴い狭くなる;特に体積分率=0.3程度では,ストレスプラトーは完全に消失し,フローカーブには単調増加性を示す.また,(2)溶液の一軸伸長試験では,体積分率の増大により系が以下の意味で延性的になることが示された:ビーズを含まないCTABの一軸伸長挙動には,通常の液体のように伸長し最終的には毛管力による切断を生じる場合(低伸長速度)と,固体高分子のようにネッキングを生じてその箇所で切断が起こる場合(高伸長速度)があり,これらの入れ替わりの臨界伸長速度を定義することができる.ビーズの体積分率の増大によって,この臨界速度が上昇することが分かった. 解析あるいは理論面では,まず上記挙動(1)を記述する統計モデルを構築した.また,(2)のような現象を記述するためにフェーズフィールド破壊モデルにソフトマター的な粘弾性効果を取り込むことをめざしている(本研究課題の主眼).そのための基礎として,マクスウェル型の粘弾性媒質におけるMode-III破壊を記述するモデルを構築し,低速では粘性的に伸び,拘束では疑脆性的に切れる,とい現象を再現することができた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
まず,実験面において,レオロジーデータを十分に解析し統計モデルとの詳細な比較を行うこと(また,その成果を論文化することが)できなかった事が挙げられる.
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Strategy for Future Research Activity |
自研究室の院生のテーマとして微粒子分散粘弾性体の非線形レオロジーと破壊挙動の関係にかんする研究を推進する. フェーズフィールド粘弾性破壊モデルにかんしては,より現実の状況に近い設定(Mode-IおよびMode-II)での数値的実装を行う.
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Causes of Carryover |
実験を担当する田中・山口が,互いが作成した試料を横浜国立大にの研究室に持ち込み,レオロジー実験および破壊実験を行う予定であったが,測定を試みるのにたる試料作製が出来なかった.今年度には実験測定を実行する.
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Research Products
(5 results)