2018 Fiscal Year Research-status Report
電磁波反射・屈折法による地下電気伝導度時間変化検出シミュレーション
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17K05624
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
市來 雅啓 東北大学, 理学研究科, 助教 (80359182)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 火山噴火予測・地震発生予測 / 観測手法開発 |
Outline of Annual Research Achievements |
地表面に沿って置いた閉曲線を通電する閉曲線電流を数値的に表し、それが引き起こす鉛直磁気ダイポールのプログラムコード化を行っているが、コード化に成功していない。先行研究によるアメリカやドイツの研究者とも議論を行ったが、特許の問題でコードの核心部分が分からず、コード化が難航している。 テクニカルな工夫として、時間刻み毎にコードをMPIで並列化することを考えているが、より高度な並列化と高速化を目指して、各スレッドに現れる大規模一次方程式を解く複雑なルーチン部分をMPIで並列化するためにNAGライブラリーコードを組み込むことを試みた。 コード化が難航しているが、完成したコードで火山地帯の電気伝導度構造を組み込んで電磁波の時間領域レスポンスを求める計画に沿って、地磁気地電流法による火山体地下の電気伝導度構造の精緻化を並行して進めた。テストフィールドとして計画している蔵王山の他、別のシミュレーションとして福島の吾妻山を想定し、吾妻山から安達太良山に渡る地殻電気伝導度構造を精緻化した。その結果、1) 吾妻山で噴気を上げている一切経山の大穴火孔直下に鉛直に続く細い火道をイメージさせる高伝導体のイメージ、2) 干渉SAR解析で求められた、深さ1.2 km, 長軸半径約12 km, 短軸半径約6 kmの低粘性楕円体領域と高電気伝導体のイメージが非常によく一致、3) 2)の高伝導体から安達太良山の箕輪山に伸びる高伝導度の火道のイメージ、をそれぞれ明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
昨年に引き続きコード化が成功していない。うまくいかない場合は周波数領域での解析を行う予定であったが、今年度も組織内施設設備の残務整理等で、十分にプログラムコード化に時間を割くことができず、大幅に研究が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度ではプログラムとシミュレーションを終了し、実際の野外実験に応用する予定であったが、野外実験を一年間後ろに伸ばし、今年度もプログラムとシミュレーションを継続すると同時に、研究期間の延長を視野にして研究を推進する予定である。
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Causes of Carryover |
進捗が遅れているため、予想した結果が得られておらず、学会発表が想定よりも少ないのが原因である。今後の野外実験と学会での研究報告に次年度使用額を充当する。
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