2018 Fiscal Year Research-status Report
Modeling of collisional growth from dust to planets
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17K05632
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
小林 浩 名古屋大学, 理学研究科, 助教 (40422761)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 惑星形成 / 原始惑星系円盤 / デブリ円盤 / 微惑星 / 原始惑星 / ダスト |
Outline of Annual Research Achievements |
非常に小さなキロメータサイズの微惑星から惑星への衝突成長過程を現実的な衝突モデルを考慮した統計的シミュレーションにより行った.その結果,原始惑星系円盤の乱流が強いほど惑星が大きくなることを示した.その理由は以下である.(1)原始惑星系円盤の乱流が強い方が惑星形成の前駆体となる暴走成長サイズが大きくなる.(2)前駆体は自己重力に守られて破壊が起きにくくなり,大きな惑星が形成されてもその摂動で前駆体が壊れない.(3)前駆体が壊れて小さくなるとガス抵抗により中心移動するため材料物質が減ってしまうが,壊れない場合は材料物質が保持されて大きな惑星が形成される.以上の結果が,Astrophysical Journalに掲載された(Kobayashi & Tanaka 2018). .また,衝突モデルを改善するための衝突シミュレーションも積極的に行ない,その結果を3編の論文にまとめた(Suetsugu, .., Kobayashi et al. 2018; Sugiura, Kobayashi, Inutsuka 2018, 2019). 統計的シミュレーションのコード開発も着実に進め,ダストから惑星までの40桁以上の質量を取り扱えるようになった.その結果,惑星の成長が微惑星集積だけでなく,外側の円盤で成長して動径移動により落ちてきた小石サイズの天体の集積も一貫して取り扱えるようになった.このシミュレーションは非常に計算コストが高いものになってしまったので,シミュレーションの高速化も併せて行い,従来の数倍の速度でシミュレーションが実行できるように改善した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ダストから惑星までの質量40桁以上を扱う統計的シミュレーションコードの開発のために,先行して調べるべき課題を発見したために先に行ったためやや遅れた.具体的には,微惑星から惑星への成長を現実的な衝突モデルを用いて調べる研究を行った.その結果はコードの開発のために注意する項目を明らかにし,コード開発にプラスに働いた. 最終的には,質量40桁以上を取り扱う統計的シミュレーションのコードは完成した.またこの過程で,非常に時間のかかるシミュレーションを高速化も成功した.そのため,今後の研究で遅れを取り戻せるだろう.
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Strategy for Future Research Activity |
ダストから惑星まで質量40桁以上の衝突成長を取り扱える統計的シミュレーションのコードが完成したため,このコードを用いてパラメータサーベイを徹底的に行う.また,その結果をもとに,惑星の成長に寄与する天体のサイズを明らかにする.
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Causes of Carryover |
統計的シミュレーションを実行するためにコンピュータの購入を予定していたが,購入しなかったため. 購入するコンピュータはこのコードで最も効率よく計算を行うようにデザインしてコンピュータを選ぶべきであるので,コードの改良と併せて選択すべきだったので購入を見送った.しかし,既にコードは完成し,どのようなコンピュータを購入するかの目処が立っているので,翌年度に購入する予定である.
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