2019 Fiscal Year Annual Research Report
Exploring hydrated minerals on asteroids --- AKARI near-infrared asteroid spectroscopic survey
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17K05636
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| Research Institution | Kobe University |
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Principal Investigator |
臼井 文彦 神戸大学, 理学研究科, 特命助教 (30720669)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 直 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 主任研究開発員 (10399553)
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| Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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| Keywords | 小惑星 / 含水鉱物 / 近赤外線分光観測 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、赤外線天文衛星「あかり」による小惑星の近赤外線分光観測のデータ解析を行い、波長2.7 μm付近の含水鉱物の吸収を検出することに成功した(Usui et al. 2019)。これによって、世界ではじめて数多くの小惑星に水が存在することを明らかにしただけでなく、大多数のC型小惑星は含水鉱物の吸収のピーク波長とバンド強度に明確な相関関係を示すことを発見した。これは小惑星が形成された後に経験した二次的な加熱(加熱脱水作用)の痕跡を反映したものと考えられる。
これについて、小惑星探査機「はやぶさ2」やOSIRIS-REx によって得られた小惑星RyuguやBennuの近赤外線スペクトルの詳細検討を行い、これら地球近傍小惑星も我々の示した加熱脱水作用の傾向に合致していることがわかった。また、東北大学や仏グルノーブル・アルプ大学との共同研究で、C型小惑星から地球に飛来したと考えられる炭素質隕石の実験室内測定の結果を評価した。炭素質隕石も、加熱を受けると2.7 μm付近の含水鉱物のスペクトルフィーチャーに変化が認められ、小惑星における加熱脱水作用の傾向を説明できるという確証を得た。
小惑星のスペクトル分類は地上望遠鏡で得られる可視光から波長2.5 μmまでの分光観測に基づいて行われるが、我々の結果で得られた長波長側のスペクトルも、全体的には短波長側から続く傾向と整合的につながっていることが確認できた。すなわち、スペクトルが青いもの(スペクトル勾配が負のもの)は3 μmを越えても青いままであり、スペクトルが平坦あるいは赤いものスペクトル勾配が正のもの)もそれぞれその勾配を持ったまま長波長側までつながっていることが見て取れた。その上で、2.7 μm付近の含水鉱物の吸収は際だった特徴点であり、これらを総合的に解釈することで小惑星の物質学的な議論がはじめて実現するという手がかりを得た。
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