2017 Fiscal Year Research-status Report
Building of global geological map of the Mercury by using auto classification algorithm
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17K05641
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
晴山 慎 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助教 (60327286)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石原 吉明 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 研究開発員 (80400232)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 水星 / 分光スペクトル / 自動分類 / 地質学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、水星の地殻形成史に迫るために、米国の水星探査機「MESSENGER」により取得された様々なデータを用いた水星全球の地質図を作成することを目的としている。本年度は、最重要な主題図の可視分光スペクトル(400nm~1000nm、8バンド)に対して自動分類を適用し、その評価をおこなった。 自動分類を適用するにあたって、可視分光スペクトルデータの規格化について、750nm波長による規格化、各波長の平均値による規格化、主成分解析による各主成分の分布広がりの規格化の3種類を試み、スペクトルの自動分類結果を検討した。その結果、主成分規格化によるデータ自動分類が過去に報告されている分類結果に大局的には近い結果が与えられることが明らかになった。同様の規格化方法を、月の可視分光スペクトル(500nm~1000nm、7バンド)に対して適用して、自動分類を試みたところ、やはり主成分規格化によるデータ自動分類結果が、我々によって過去に行ったハイパースペクトルデータ(500nm~1600nm、160バンド)の自動分類結果をもっともよく再現可能であることが明らかになった。 また、この規格化による自動分類の結果から、異なる物理量を自動分類する場合、その頻度分布の広がりと平均値を規格化することで適切な分類が可能であることわかった。 これらの結果は、2018年3月に行われた、49th Lunar and Planetary Science Conference にてポスター発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現在遅れている項目は、元素濃度マップの自動分類およびクレータ密度マップの作成である。 元素濃度マップの自動分類については、各元素の濃度分布の平均値と分散が異なるデータに適切な自動分類法の検討に時間が要していたためである。この問題についてはすでに解決しているので、直ちに作成が可能である。 クレータ密度マップについては、クレータ抽出法を検討していたが、その効果的な方法が確立できなかったためである。しかしながら、本件については、昨年度発表された月のクレータ検出アルゴリズムを提供いただけることになったので、その方法を適用することで遂行が可能である。 以上のように、方法の検討に時間を要したため初年度計画から若干の遅れがあるが、これらの問題解決方法はすでに判明しているので、今後の研究推進に問題はない。
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Strategy for Future Research Activity |
30年度は、29年度の研究計画で遅れていた項目の実施を早急におこない、主題図作成の進捗回復を図る。 その上で、作成した各主題図を比較検討したうえで、複合データを用いた地質区分図の作成を行う。 また、水星のハイパースペクトルデータが公開されたので、このデータの使用について検討する。このデータは、現在は測点データとしてのみ公開されているため、今年度はそのキューブ化について検討を行う予定である。
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Causes of Carryover |
次年度使用額のうち大半は、2018年3月にアメリカで行なった学会発表の旅費精算が年度中に行われなかったため、繰越扱いとなっているためであり、すでに使用されている。翌年度請求分は当初計画通りに使用する予定である。
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