2017 Fiscal Year Research-status Report
Subduction of North Pacific Central Mode Water and its decadal variability
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17K05652
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岡 英太郎 東京大学, 大気海洋研究所, 准教授 (60360749)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 中央モード水 / サブダクション / 十年規模変動 / フロント・中規模渦 |
Outline of Annual Research Achievements |
テーマ1「形成域西部における中央モード水(CMW)の形成・輸送・変質過程」ならびにテーマ2「様々なスケールで起こるCMWのサブダクションの実態」に関して、2013年と2016年の白鳳丸の2航海で取得したデータの解析を行った。XCTDによる高解像度の水温・塩分観測を行った41Nと37.5Nの2本の東西測線について、塩分データの品質管理を行ったのち、塩分・ポテンシャル水温・ポテンシャル密度、ポテンシャル渦度、溶存酸素、AOU等の断面図を作成した。41N東西測線は西側で移行領域モード水、東側で「重いタイプのCMW」を捉えており、その分布は比較的連続的であった。これに対し、37.5N測線における「軽いタイプのCMW」はメソスケール(~100km)あるいはそれよりも小さいサブメソスケールの分布を示していた。今後、海面高度データと併せ、より詳細な解析を行う。また、白鳳丸の2航海で本州東岸の中規模渦を対象に行ったXCTD集中観測のデータを解析し、渦内部における各モード水の形成、形成された渦位の散逸、それらとサブメソスケール現象の関わりについて考察を行った。 テーマ3「CMWのサブダクションの10年規模変動」に関して、アルゴデータならびに気象庁船舶データの解析を行った。アルゴデータの品質管理を行い、2005年以降の各月のCMW分布を作成した。また、気象庁がCMW移流の最下流域にあたる137E測線で50年間にわたり行っている定線観測データから各種プロパティの時系列データを作成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度は、もともとは白鳳丸の2航海のデータ解析に集中する予定であったが、実際にはテーマ1~3に必要な各種データの品質管理・解析を総合的に進め、平成30年以降の解析の下準備がほぼ整った。
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Strategy for Future Research Activity |
船舶観測データ、アルゴデータ、衛星観測データの解析を進めるとともに、最近取り組んでいる2011年の福島第一原発事故由来の放射性セシウムの解析結果を合わせることにより、特に小さいスケールのCMWサブダクションに関して新たな知見を得ることを計画している。
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Causes of Carryover |
2018年1月に実施した新青丸KS-18-1航海の観測経費について、所属機関の内部資金を得ることができたので、基盤Cの使用を平成30年度以降に延期した。2018年4月に実施する新青丸KS-18-4航海の観測費用等に使用する予定である。
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Research Products
(11 results)