2021 Fiscal Year Research-status Report
木星型惑星大気の雲対流構造~放射冷却率と凝結性成分存在度に対する依存性
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17K05656
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Research Institution | Matsue National College of Technology |
Principal Investigator |
杉山 耕一朗 松江工業高等専門学校, 情報工学科, 准教授 (60463733)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 健介 九州大学, 理学研究院, 助教 (10192668)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 木星大気 / 雲対流 / 雲解像モデル / 惑星大気 / 数値モデリング |
Outline of Annual Research Achievements |
凝結性成分が多い条件下で発生する雲対流の基本的特徴を調べることを目的として,H2O と NH3 の凝結および NH4SH の化学反応に伴う対流抑制を念頭においた数値実験とその解析を行った.当該年度は前年度からの継続として,凝結性成分の存在度をパラメタとした雲対流シミュレーションの追加実施とその解析を行い,凝結性成分が多い条件下においても活発な積雲が間欠的に発生するという特徴を説明するメカニズムについての考察を深めた.追加実験とその解析結果は,前年度に得た結果,すなわち,数値シミュレーション中に見られる積雲の間欠的な発生は地球で見られる「スコールライン」と同様な雲対流活動の組織化を伴っていること,を念押しするものであった.現在,これらの研究成果を論文としてまとめている. 上記に加えて,効率的な研究推進のために必要となる解析ツールのプログラム開発も実施した.既存の Web Map Tile Service に「数値データタイル」と名付けた独自の拡張機能を加えることで,大規模数値シミュレーションデータの拡大縮小とスクロールを非常にスムーズに行うことができ,さらに,図の重ね合わせや画像の色調変更などの操作も簡単に行えることを確認した.本ツールを用いたことで,数値シミュレーションデータの全体構造の把握,興味ある小規模な現象の探索,特徴的な現象のメカニズムの理解,などが容易に実施できるようになり,結果として実験結果の解析の加速につながった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍の影響を受け,研究成果を論文としてまとめる作業に遅れが生じている.
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに得られた研究成果を論文としてまとめる作業を継続する.
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Causes of Carryover |
コロナ禍の影響を受けて,研究成果を論文としてまとめる作業に遅れが出ている.残り予算は論文の英文校正・投稿料として確保しているものであり,当該年度にそれを執行する状況にできなかった.次年度に論文の英文校正・投稿料として執行予定である.
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