2019 Fiscal Year Annual Research Report
High-precision radiocarbon dating of Quaternary tephra layers using wiggle-matching of peat deposits
Project/Area Number |
17K05676
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
宮入 陽介 東京大学, 大気海洋研究所, 特任研究員 (30451800)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 玲介 皇學館大学, 教育開発センター, 准教授 (30409437)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 放射性炭素年代測定 / 加速器質量分析 / 暦年較正 / 泥炭 / テフラ / ウイグルマッチング |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は、摩周火山由来テフラのうち歴史記録のないテフラを対象に年代決定をすることを目指した。2018年度より、同サンプルの採取を試みていたが、摩周テフラ群を含んだ分析に適した泥炭地を見つけることが困難であったことや、2018年9月に起こった北海道胆振東部地震の影響でフィールド調査を2019年度に延期せざるを得なかったため、調査・試料採取が今年度にずれ込んでしまった。対象地を北海道斜里湿原等の道東地域の3カ所の湿原に選定・決定し、2019年6月に現地の地質調査とサンプル採取を行った。現地調査後、表層部の樽前aテフラに周辺に関しては直ちに放射性炭素年代測定を行い、道北の猿払湿原地域での結果との比較を日本第四紀学会 2019 年大会において速報結果を発表することができた。 本研究に用いた放射性炭素年代測定技術に関して、微量試料の加速器質量分析法に関する論文が雑誌掲載に至ったほか、東京湾の海洋堆積物コアでのサンプルの年代測定等応用事例の研究論文や文化財のウイグルマッチングの応用事例の研究などが国際誌掲載に至った。これらのうち後者2点は、所属先の東京大学大気海洋研究所webページの「研究トピックス」に取り上げられ、「国重要文化財「赤神神社」創建に迫る日本最古級の狛犬の発見 ~ウイグルマッチング法による木造狛犬の高精度年代推定~」、「繰り返す温暖化と寒冷化 ‐日本の歴史に影響した東京の気候変動‐」として特設ページを設けてもらうことができ、研究成果の社会への発信ができたと考えている。 2019年6月の現地調査の試料に関しては、深部で摩周起源と考えられるテフラが確認されている。年代測定については、上記の理由によるフィールド調査の遅れのため、年度内に完了することができなかったが、年代分析の前処理まではおおむね完了しており、今後研究分担者や連携研究者らと協力しながら分析を行う予定である。
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Research Products
(10 results)