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2017 Fiscal Year Research-status Report

Study of Cretaceous tectonics along the east margin of Asia based on detrital zircon U-Pb and Hf model ages

Research Project

Project/Area Number 17K05677
Research InstitutionUniversity of Toyama

Principal Investigator

大藤 茂  富山大学, 大学院理工学研究部(理学), 教授 (60194221)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 山本 鋼志  名古屋大学, 環境学研究科, 教授 (70183689)
Project Period (FY) 2017-04-01 – 2020-03-31
Keywordsジュラ系 / 白亜系 / 極東ロシア / 後背地解析 / 砕屑性ジルコン / ウラン-鉛年代
Outline of Annual Research Achievements

今年度は,ロシア・ハバロフスク地方のジュラ~下部白亜系砂岩を採取し,砕屑性ジルコンのU-Pb年代を測定した。平成29年9月24日~10月10日にロシアを訪問し,ロシア科学アカデミー極東支部コスイギン テクトニクス・地球物理学研究所の研究協力者2名と共に地質調査と試料採取を実施した。対象とした地質体は以下の通りである:①ジュラ紀付加体ハバロフスク・コンプレックス(C),②前期白亜紀付加体アムールC,③ジュラ紀付加体サマルカ-アニュイC,および④下部白亜系ジュラブレフカC。
名古屋大学大学院環境学研究科の機器で,採取試料中の砕屑性ジルコンのU-Pb年代を測定した。その結果,いずれの試料中のジルコンも100~130 Ma,160~500 Ma及び1,000 Maに年代ピークをもち,シホテアリン中央断層(CSF)東側の試料は,それらに加えて北中国地塊(朝鮮半島を含む)を特徴づける1,800~2,000 Maの年代ピークも有した。すなわち,測定試料には,(1) 北東アジアを特徴づける130~160 Maの年代欠如と,(2) ハバロフスク地方西方,ブレヤ-ハンカ-佳木斯地塊を特徴づける500 Ma及び1,000 Maのピークが認められた。従って,これらの試料は,いずれも堆積後にアジア大陸内部との相対的位置関係を保っているものと考えた。また,CSF東方の試料に含まれる1,800~2,000 Maのジルコンは,北中国地塊の一部である朝鮮半島北部から供給されたものと判断した。CSF東方の中生界は,現在よりやや南方で堆積し,CSFの左横ずれ変位で北上したと解釈した。
一方,CSF東方の北海道蝦夷層群の下部白亜系砂岩は,130~160 Maのジルコンを有し,南中国地塊近辺で堆積した蓋然性が高いことがわかっている。CSFと蝦夷層群分布域の間に,CSFより変位の大きな左横ずれ断層が走る可能性がある。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

年度初めに予定したより多くの試料の砕屑性ジルコン年代分布が判明し,ハバロフスク地方と北海道の下部白亜系の対照性が明らかとなった。また,「5.研究実績の概要」には記していないが,日本の白亜系を原岩とする変成岩類のジルコン研究に関する研究発表を進めている。これらの点では,本研究課題は予定以上の進捗状況にあるといえる。一方,ジルコンの年代測定に多くの時間を費やしたため,年度初めに予定していたジルコンのハフニウムモデル年代の測定はまだ行っていない。その点では,進捗状況に遅れが見られる。以上総合して,概ね順調に進展していると自己評価した。

Strategy for Future Research Activity

今後の研究の推進方策は,以下の3点に集約される。
1.ロシア沿海地方の砕屑性ジルコン研究:サマルカ帯およびタウハ帯のジュラ紀~前期白亜紀付加体およびジュラブレフカ帯の前期白亜紀砕屑岩類を野外調査し,砂岩試料を採取する。試料から砕屑性ジルコンを分離し,U-Pb年代分布とHFモデル年代を測定する。これらのデータから,砂岩の後背地を推定する。
2.中国南東部の砕屑性ジルコン研究:浙江省~広西壮族自治区のジュラ~白亜系砕屑岩類を野外調査し,砂岩試料を採取する。試料から砕屑性ジルコンを分離し,U-Pb年代分布とHFモデル年代を測定する。これら変動の少ない南中国地塊内部のデータを,日本の同時代砂岩の後背地解析の際の標準データとする。
3.日本のジュラ~白亜系のU-Pb年代分布(多くのデータあり)およびHFモデル年代(新規データ)を大陸の同時代層および火成岩類とそれぞれ比較する。これらの作業より,日本~ロシアハバロフスク地方のジュラ~白亜系の後背地と堆積後の変位を推定し,アジア東縁の白亜紀テクトニクスモデルを構築する。

Causes of Carryover

予定していた実験補助を依頼しなかったため,「謝金」の予算10万円が余った。また,ロシアから日本への岩石試料輸送費をロシア側の研究協力者が負担してくれたため,「その他」の予算20万円が余った。これら次年度使用額を生かして,平成30年度には当初予定した以上のジルコンU-Pb年代およびHfモデル年代を測定する。

  • Research Products

    (5 results)

All 2017 Other

All Int'l Joint Research (1 results) Presentation (4 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results)

  • [Int'l Joint Research] ロシア科学アカデミー極東支部コスイギンテクトニクス・地球物理学研究所(ロシア連邦)

    • Country Name
      RUSSIA FEDERATION
    • Counterpart Institution
      ロシア科学アカデミー極東支部コスイギンテクトニクス・地球物理学研究所
  • [Presentation] 野母半島,長崎変成岩類(広義)の新たなジルコンU-Pb年代2017

    • Author(s)
      長田充弘, 高地吉一, 山本鋼志, 大藤 茂
    • Organizer
      日本地球惑星科学連合-米国地球物理学連合合同大会 2017
    • Int'l Joint Research
  • [Presentation] 5万分の1地質図幅「池田」地域の三波川変成岩類(続報)2017

    • Author(s)
      田充弘, 宮崎一博, 岩野英樹, 壇原 徹, 大林秀行, 平田岳史, 八木公史, 山本鋼志, 高地吉一, 大藤 茂
    • Organizer
      日本地質学会第124年学術大会
  • [Presentation] ロシア・ハバロフスク地方,ジュラブレフカコンプレックスの砕屑性ジルコン年代分布2017

    • Author(s)
      大藤 茂, 奥田朱音, 大田敬豊, 三宅裕子, 長田充弘, 高地吉一, 青山正嗣, 山本鋼志, Zyabrev, S. V., Kudymov, A. V., Didenko, A. N.
    • Organizer
      日本地質学会第124年学術大会
  • [Presentation] 極東ロシア,ハバロフスクコンプレックスの砕屑性ジルコン年代分布2017

    • Author(s)
      三宅裕子, 森田祥子, 長田充弘, 高地吉一, 大藤 茂, 青山正嗣, 折橋裕二, 山本鋼志, Zyabrev, S. V., Kudymov, A. V., Didenko, A. N.
    • Organizer
      日本地質学会第124年学術大会

URL: 

Published: 2018-12-17   Modified: 2022-02-22  

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