2018 Fiscal Year Research-status Report
日本列島の白亜系の複合層序対比による古環境・古地理・ 堆積盆解析
Project/Area Number |
17K05688
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
安藤 寿男 茨城大学, 理工学研究科(理学野), 教授 (50176020)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 白亜紀 / 日本列島 / 層序対比 / 古環境 / 古地理 / 堆積史 / 古日本陸弧 / 前弧堆積盆 |
Outline of Annual Research Achievements |
北海道の三笠,穂別地域の蝦夷層群,福島県の相馬中村層群,双葉層群,茨城県の那珂湊層群等で野外調査を行い,シーケンス層序の検討,大型化石(特に軟体動物化石),花粉化石の採取を行い,それぞれ分析を進めている. 蝦夷層群では函淵層のシーケンス層序の再検討から北西太平洋域の白亜紀後期の相対海水準変動を考察している.双葉層群では,海生化石密集層のシーケンス層序学的位置付けや形成過程を再検討し,白亜紀中期の浅海砂底の底生生態系復元を目指している.相馬中村層群では日本を代表する白亜紀前期の非変形浅海相として,堆積相・化石相について他の日本の同時代層と比較している.那珂湊層群については,異常巻きアンモナイトの古生物記載と化石層序を,国際誌(Cretaceous Research)に論文投稿し5ヶ月で早期出版掲載することができた. 一方,日本の白亜紀の古地理や地史の全体像復元は,昨年度の成果を踏まえて,本年度に英国の著名な地球科学出版物に投稿したが採択されなかったため,仕切り直して根本的な改訂を目指している.特にこの2-3年は測定技術や手法の飛躍的な向上のため,日本を含めた東アジア各地で,白亜紀の各種地質帯のU-Pb放射年代が発表され,それらの成果の把握と,そのデータに基づく整合的な地質構造発達史の構築が必要である.日本各地の白亜系の年代層序情報のとりまとめから構築した古日本弧―海溝系復元の成果に,日本周辺の同時代層の成果を繰り入れて,より広域に復元する作業を進めている. 昨年度に国内学会英文誌に出版された,モンゴルの白亜系湖成層の年代層序に関する論文は,本年度の学会論文賞を受けることになり,東アジアの白亜系の地質学研究に大きな足跡を残すことになった.さらに,著名国際誌への投稿を準備しており,本研究3年目の仕上げの年に向けて,鋭意努力している.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでの調査データや内容を踏まえ,研究成果の着実な公表を目指して進めており,本年度もその成果が現れ,国際誌早期出版や学会論文賞に至ったので,今後も継続的な努力を続けたい.
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Strategy for Future Research Activity |
日本列島周辺の白亜紀の古地理や地史の全体像復元は,この数年,研究の進展が早く多数の文献や情報があり,その把握は容易でない.そのため,今後も継続的に進めていく必要がある.これまで日本の研究の英文論文による情報発信が十分でないため,日本の地質の詳細を無視した論文が少なくないことも分かってきた.その打開のためにも情報発信のための論文公表に向けて努力したい.
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Remarks |
茨城大学理学部安藤研究室のWebsiteに研究関連情報や論文一覧を随時更新
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Research Products
(12 results)
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[Presentation] モンゴルの年縞湖成層から読み解く白亜紀中期“超温室期”の十年~千年周期の気候変動と太陽活動の気候影響2018
Author(s)
長谷川精, 安藤寿男, 勝田長貴, 村木綏, Ichinnorov N., 村山雅史, 山本鋼志, 太田亨, 長谷川卓, 山本正伸, 長谷部徳子, Heimhofer U., 池田昌之, 西本昌司, 山口浩一, 阿部文雄
Organizer
日本地球惑星科学連合2018年大会
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