2019 Fiscal Year Annual Research Report
Spatiotemporal Structure Elucidation of Non-Neutral Plasma Transitioning to Density Limit and Its Application to High-Intensity Ion Beam Control
Project/Area Number |
17K05724
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
曽我 之泰 金沢大学, 数物科学系, 助教 (90525148)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菊池 崇志 長岡技術科学大学, 工学研究科, 准教授 (30375521)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 非中性プラズマ / 軸方向エネルギー分布計測 / 電子加速 / クーロン相互作用 / 粒子-粒子法 |
Outline of Annual Research Achievements |
Malmberg-Penningトラップに捕捉した高密度電子プラズマを外部電位操作により磁場方向に圧縮し,その過程で生じるエネルギー分布関数の時間発展を実験,数値計算の両面から検討することにより,重イオン慣性核融合のエネルギードライバーにおけるビーム圧縮に対して有用な基礎データを提供することが本研究の目的である. 本年度は,これまで蓄積した電子プラズマの制御技術を用いることにより,電子ビームとして閉じ込め領域に導入した数マイクロ秒後に,加速粒子が継続して生成される様子を実験と3次元数値計算で観測することに成功した。電子プラズマトラップ装置で高速粒子がこれほどの短時間で生成され続ける現象はこれまで報告されておらず,未知の緩和過程が関与していると考えられる。 実験では,あるエネルギー以上の電子群を意図的に排除した状態から,エネルギー閾値を超える粒子生成率を実験的に決定した。3次元数値計算は実験パラメータをベースとしたをおこない,実験結果がよく再現された。この結果より,電子加速は電子間のクーロン相互作用のみにより誘起されると示唆された。 研究期間全体を通じた成果は以下の通りである。(1)電子プラズマを用いて荷電粒子ビームを模擬した基礎実験により,荷電粒子ビームのパルス圧縮過程で生じる空間電荷効果に起因するビームエミッタンス変化を定量評価する手法を確立した。(2)新たに開発した荷電粒子多体系の3次元数値計算コードにより,純電子プラズマ実験で観測された未知の現象を含む様々な時間スケールの緩和現象が再現された。この計算手法は,重イオン慣性核融合のエネルギードライバーにおけるビーム圧縮の設計に有用であると期待される。
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