2020 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidate the pressure effects on molecular properties for theoretical designing of piezo-responsive molecules
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17K05749
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
福田 良一 京都大学, 実験と理論計算科学のインタープレイによる触媒・電池の元素戦略研究拠点ユニット, 特定准教授 (40397592)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 計算化学 / 量子化学 |
Outline of Annual Research Achievements |
1)鉄‐ストロンチウム複合酸化物の酸素分圧に依存した酸化性能の解明 鉄系酸化物は雰囲気中の酸素分圧に応答して、酸化物中の格子酸素を酸素分子として雰囲気中に放出したり、気相中の酸素を、酸化物中に格子酸素として吸蔵したりする性質を持ち、外部の圧力刺激に応答して、組成や物性が変化する材料である。また、鉄系酸化物は貴金属を含まないため、元素戦略的にも重要な物質であり、酸化還元反応を触媒する材料としての応用が期待されている。 鉄‐ストロンチウム複合酸化物(Sr_x Fe_y O_z)は多様な表面層が露出する可能性がある。その表面の安定性を表面自由エネルギーの計算より求め、その酸素分圧依存性を調べた。酸素分圧を上げると、酸化鉄構造が露出しやすくなる事が分かった。各表面の性質を量子化学計算により調べた結果、酸化鉄構造面は特に吸着した分子を酸化する能力が高い事が明らかになった。 酸化反応は、酸化物中の格子酸素による酸化であるMars van Krevelen機構で進行する事が分かった。表面の酸素を消費した後に、物質中の酸素が移動する過程が律速段階であった。この反応障壁は物質中の酸素空孔の量に依存することを示した。また、鉄‐ストロンチウムの比率により材料の構造が変わるが、ルドルスデン‐ポッパー相の構造は、鉄まわりの構造にヤーンテラー歪を起こし、それにより格子酸素の移動が促進される事が分かった。第4元素の複合化などで、鉄まわりの電子状態を変えることにより、反応性や物性を制御するような材料デザインを提案した。
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Research Products
(3 results)