2019 Fiscal Year Annual Research Report
Energy relaxation process in the excited states by black body radiation
Project/Area Number |
17K05763
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
築山 光一 東京理科大学, 理学部第一部化学科, 教授 (20188519)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 自然放射増幅光 / ハロゲン分子 / イオンペア状態 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1) ヨウ素分子のイオンペア励起状態、特に f' 0g+(1D2)および E 0g+(3P2)状態について、これらの振動回転準位を多重共鳴レーザー分光法によって選択的に励起し、そこからの発光(自然放射増幅光(ASE)、蛍光等)の観測から、励起状態における放射緩和過程をstate-to-stateに解析し、イオンペア状態独特の励起状態ダイナミクスを解明した。具体的にはf' 0g+(1D2)状態の場合、主要な緩和過程はF' 0u+(1D2)へのASEであること、そしてその振動状態における占有数がFranck-Condon因子の大きな遷移に限られる、等通常の放射緩和過程とは異なる。 (2) ヨウ素分子の f 0g+(1D2)状態の振動回転準位を多重共鳴レーザー分光法によって励起し、そこからのASEを観測した。さらにそのASEの下準位を別のレーザーによって励起することによって反転分布を一部阻害することにより、当該ASEが抑制することに成功した。通常ASEは前期解離等の無放射過程とタイムスケールが同等であることから、本研究はASEの操作によってそれと競合する反応過程を操作できる可能性を示唆している。このような例はこれまで当研究室で行われたNO(一酸化窒素)でのみ報告されており、極めて希少な例である。 (3) ICl分子の f' 0+(1D2)j状態を多重共鳴レーザー分光法によって選択的に励起し、広いエネルギー領域において振動・回転準位構造を解析した。また得られた項値から正確なRKRポテンシャルを決定した。ICl分子においてはASEはにおいては観測することができなかった。前期解離性が強いことが原因の一つと推察される。
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Research Products
(10 results)