2019 Fiscal Year Annual Research Report
The behavior of guest molecules inducing structural phase transition of clathrate hydrates
Project/Area Number |
17K05768
|
Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
竹谷 敏 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 計量標準総合センター, 上級主任研究員 (40357421)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | クラスレートハイドレート / 包接化合物 / 結晶構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
ガスハイドレートの昇温にともなう、位相差X線イメージング法による分解過程の内部構造の非破壊観察と粉末X線回折法による分解速度の定量的な理解を目標に、以下の研究を実施した。 低温型位相コントラストX線CT測定法で、アルミ容器中での二酸化炭素ハイドレートとテトラヒドロフラン(THF)ハイドレートの可視化を可能にした。これにより、今後、ジュラルミン製等の高圧容器内のガス加圧条件下で、ガスハイドレートの分解実験や自己保存現象のX線CT観察実験を可能にする成果である。また、生成過程のその場観察も可能にする成果である。 粉末X線回折法を用いた結晶構造解析により、希ガス(アルゴン、クリプトン、キセノン)をゲストとするガスハイドレートの結晶構造解析を行った。その結果、アルゴンとクリプトンはガスハイドレートのケージ構造の中心位置から離れた部分に平均的に分布しているのに対し、キセノンはケージ構造の中心位置に分布していることを明らかにした。これは、ゲストの大きさに起因するものと予想される一方で、キセノンは自己保存性を示さないことから、このようなゲスト-ホストの関係が、どのようにガスハイドレートの分解挙動に影響を及ぼすのか、さらなる検討が必要である。希ガスというシンプルな系を用いることにより、明瞭にゲスト-ホストの相関が示せた点は、ガスハイドレートの分解機構の解明に向け、新たな知見を得ることができたと言える。 本研究で得られた以上の研究成果は、今後のガスハイドレートによる効率的なガス貯蔵技術の開発に向けた有益な指針となるものであるとともに、有効な計測手法の開発といえる。
|