2018 Fiscal Year Research-status Report
Creation of functionalized endohedral metallofullerenes and its function
Project/Area Number |
17K05797
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Research Institution | Foundation for Advancement of International Science |
Principal Investigator |
赤阪 健 公益財団法人国際科学振興財団, その他部局等, 主席研究員 (60089810)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 道夫 東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (00583098)
加固 昌寛 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 教授 (10233678)
前田 優 東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (10345324)
鈴木 光明 城西大学, 理学部, 助教 (40741757)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | フラーレン / 金属内包フラーレン / 化学修飾 / ナノカーボン / 常磁性金属内包フラーレン / 反磁性金属内包フラーレン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、最も特異な構造と電子的特性を有するナノカーボンの一つである金属内包フラーレンに着目し、元素化学に基づく選択的化学修飾による構造、電子的特性、さらには磁性の制御を行う。得られた金属内包フラーレン誘導体の集積化を試み、革新的バルク機能を有する新たなナノカーボン材料の創製とその機能開拓を目的とする。金属内包フラーレンを集中的に合成し、得られた常磁性および反磁性の金属内包フラーレンについてその電子的特性および化学反応性の解明を行うと共に元素化学に基づく化学修飾により種々の誘導体を合成し機能開拓を行った。用いた金属内包フラーレンには常磁性と反磁性の2つの種類があるが、反磁性金属内包フラーレンの化学修飾による常磁性金属内包フラーレンの創製に挑戦した。得られた化学修飾による誘導体並びに自己集積化による集合体の特異な磁気的、電気的特性の解明にチャレンジした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ラジカル付加によりスピンが閉じ込められた常磁性金属内包フラーレンの創製が期待される。反磁性金属内包フラーレンのラジカル付加を検討した。得られる常磁性誘導体の電子的特性やさらなる反応性を解明し、新たなラジカル分子の創製とその機能開拓を試みた。具体的には、La2@C80等の反磁性金属内包フラーレンの一電子還元体は、電子が2個の内包金属原子種に局在化し、安定なラジカル種を生成することが理論予測されている。反応系内で発生させたラジカル付加反応を利用し、フラーレンケージ上に単結合を有する誘導体の生成による新しい安定ラジカル種の合成にチャレンジした。すなわち、スピンがケージ内の2個La原子上に局在化した安定なラジカルとして単離および結晶化を検討した。
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Strategy for Future Research Activity |
常磁性内包フラーレン誘導体のナノロッドおよび薄膜の作成を試みる。最近幾つかの常磁性金属内包フラーレン誘導体においてナノサイズの針状結晶 (ナノロッド) を得ることに成功している。興味深いことに誘導体でないものに対し同じ反応条件で結晶化を行ってもナノロッドは生成しない。集積化金属内包フラーレンの機能評価として、導電性測定や磁場による配向制御を試みる。常磁性金属内包フラーレンナノロッドおよび薄膜に対して導電特性や磁気特性を系統的に調べ、組織体全体に及ぶ電子的・磁気的な性質を明らかにすることに挑戦する。
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Causes of Carryover |
予算と見積額・予算執行額に1円の差額が生じました。平成30年度に差額を使用する予定です。
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Research Products
(14 results)