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2017 Fiscal Year Research-status Report

Studies on spontaneous enantiomeric resolution by conformational change induced external stimuli

Research Project

Project/Area Number 17K05834
Research InstitutionKyoto University

Principal Investigator

高橋 弘樹  京都大学, 人間・環境学研究科, 助教 (00321779)

Project Period (FY) 2017-04-01 – 2020-03-31
Keywords自然光学分割 / 多形制御 / 外部刺激応答分子 / 光照射
Outline of Annual Research Achievements

本研究では有機化合物の自然光学分割法である,コングロメレートの優先晶出法とある種の条件を満たしたラセミ混晶またはラセミ化合物に適応可能な優先富化現象の関係を溶液中での分子間相互作用を基に明らかにすることを目指している.
優先晶出法は結晶中に,優先富化では溶液中に一方のエナンチオマーが濃縮する見かけは全く逆の現象であるが,溶液中で分子は優先的にホモキラル相互作用を形成している.両現象の違いは,結晶化の過程で起こるホモキラルな会合状態からヘテロキラルな会合状態への多形転移の有無であると考えられる.
本研究でラセミ体の外部刺激応答分子を用いて外部刺激による分子の構造変化を利用して溶液中の分子相互作用をホモキラルまたはヘテロキラル相互作用と多形転移をコントロールすることで,自然光学分割を誘起する方法を確立することを目的とする.現在,外部刺激応答部位として紫外線照射によって異性化するアゾベンゼン誘導体を,キラル部位としてプロピオン酸またはグリセロールをもつ分子を合成し,結晶構造の解析を行った.また,各種溶媒に対する溶解度,光異性化反応の温度依存性を調べ,光学分割を行うための最適な結晶条件を検討した.
キラル部位がグリセロール部位の化合物は,全般に溶解度が高く結晶化するためには,他の置換基を導入して溶解度を低下させる必要があることが分かった.具体的にはハロゲンを導入した化合物の合成を行っている.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

予備的な実験において溶液中での光照射時と照射後で異なる赤外分光スペクトルを得ることが出来た.これを基に,さらに結晶化条件の最適化を行い,紫外線照射時に溶液中で発生する分子種の結晶を得ることが期待される.また,一部化合物において,共結晶化をおこない,超過飽和溶液からも安定して同じモル比で共結晶が得られることができ,当初の目的はほぼ達成できたと考えている.

Strategy for Future Research Activity

合成したいくつかの化合物は,溶解度が高いため単結晶構造解析に用いる良質な結晶が得られていない.溶媒と結晶化温度の最適化を行い単結晶の作成を行う.
赤外線レーザーを用いたSHG測定では,予備的な実験で,ラセミ化合物でも, SHG陽性のものが存在することが明らかとなった.平成30年度は引き続き種々の試料を測定して,分子,結晶構造とSHGシグナルの関係性を検討し,コングロメレートの探索を行う.

  • Research Products

    (3 results)

All 2018 2017 Other

All Int'l Joint Research (1 results) Presentation (2 results)

  • [Int'l Joint Research] ルーアン大学(フランス)

    • Country Name
      FRANCE
    • Counterpart Institution
      ルーアン大学
  • [Presentation] アゾベンゼン誘導体の光異性化による溶液中の会合構造の変化と多形転移の観察2018

    • Author(s)
      高橋 弘樹
    • Organizer
      日本化学会 第98春季年会
  • [Presentation] プロピオン酸誘導体の共結晶化と 優先富化現象の発現2017

    • Author(s)
      高橋 弘樹
    • Organizer
      有機結晶シンポジウム

URL: 

Published: 2018-12-17  

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