2020 Fiscal Year Annual Research Report
Asymmetric Catalytic oxa-Diels-Alder Reaction of Unactivated Dienes and Aldehydes
Project/Area Number |
17K05865
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
畠中 康夫 大阪市立大学, 大学院工学研究科, 教授 (80344117)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 不斉oxa-Diels-Alder 反応 / 非活性ジエン / アルデヒド / 光学活性ジヒドロピラン |
Outline of Annual Research Achievements |
(R)-BINOLを不斉配位子とするN-triflylphosphoramideを触媒とする、電子供与性基を持たない非活性ジエンとアルデヒドの触媒的不斉oxa-Deiels-Alder 反応に成功した。ジエンとアルデヒドの触媒的不斉oxa-Deiels-Alder 反応はこれまで電子供与性基に置換された活性ジエンとアルデヒドの例に限定されていた。アルデヒドに対し、2-5 mol% の BINOL由来のN-triflylphosphoramideの存在下、ジメチルブタジエンやイソプレンなどの非活性ジエンと芳香族アルデヒドまたは脂肪族ジエンを反応させたところ、不斉oxa-Deiels-Alder 反応が、室温下で円滑に進行し、ジヒドロピラン誘導体を高収率(65-98%)および良好な鏡像体過剰率(60-85% ee)で与えた。 当該反応を効率的に進行させる触媒の構造を検討したところ、BINOL配位子の6,6'位にトリフルオロメチル基やニトリル基などの電子吸引性基を導入すると、触媒活性が飛躍的に向上し、生成物の収率ならびに鏡像体過剰率が大きく増加することが分かった。キラルジヒドロピランは多くの生理活性物質の基本骨格であるものの、これまで効率的な合成法がなかった。本研究は、容易に合成できる不斉N-triflylphosphoramide触媒を開発することで、キラルジヒドロピラン類の簡便合成法を提供するものである。
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