2019 Fiscal Year Research-status Report
ホウ素化学とケイ素化学のシナジーによる高機能デュアル元素型無機高分子の創出
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17K05876
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
松見 紀佳 北陸先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 教授 (40323745)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
VEDARAJAN R 北陸先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 助教 (40638756) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 無機高分子 / 有機ホウ素高分子 / 有機ケイ素高分子 / イオンセンシング / 高分子電解質 / 自己修復材料 |
Outline of Annual Research Achievements |
ポリボロシロキサンの合成手法に関して、さらなる検討を行った。以前に報告した遷移金属触媒を用いる脱水素カップリング重合によらない、新たな合成法の確立を目指した条件検討を行った。ホウ酸系モノマーとケイ酸系モノマーの重縮合と、得られたポリマーの構造解析、重合条件の検討を実施した。これまでホウ酸誘導体として構造が制御された直鎖上ポリマーを与えるモノマー種は極めて限定されていたが、重合条件を検討することにより他の誘導体を活用可能であることが見出された。また、そのような場合にも得られたポリマーの数平均分子量はゲル透過クロマトグラフィーにより最大で数万に達し、明確な構造を有するポリマーを与えることが1H, 11B, 29Si-NMR測定などから明らかとなった。一方、遷移金属触媒を用いた場合と比較してポリマーのシークエンスがどのように異なっているかは今後の検討により明らかにする必要がある。得られたポリマーはTHFをはじめとする各種有機溶媒に可溶であり、良好なフィルム形成能を示した。さらに、新たに合成したポリボロシロキサン誘導体も自己修復性を有することが示唆された。金属基板上にキャストしたポリマーフィルムをスクラッチした後に昇温すると、自己修復することが目視においても確認された。得られたポリマーは今後さらにアニオンセンシング材料や電解質材料としての可能性を有しており、応用を指向した更なる展開が可能と考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまで、本研究においてはポリボロシロキサン誘導体の自己修復能の発現を見出し、フッ化物イオンセンシング能やイオン伝導特性を明らかにするなど、様々な材料科学的応用につながる知見を集積してきた。特に自己修復性に関しては一般的な有機ケイ素高分子、有機ホウ素高分子では発現されていない特性であり、本研究のコンセプトであるデュアル元素型の設計により初めて創出が可能になったと言える。加えて、新たな重合反応の開発や重合条件の検討も進めてきた。 令和元年度の研究では新たな骨格を有するポリボロシロキサン誘導体の開発にもつながり、今後さらに本ポリマーを活用したイオンセンシングや電気化学的応用、デバイス応用に向けた展開が期待される。これまで活用できるホウ酸誘導体種は限定されていたが、重合条件を検討することで今後多様な構造を導入できると期待できる。
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Strategy for Future Research Activity |
開発された新たなポリボロシロキサンの重合方法、合成条件に基づいてさらに新たな骨格を有する新規高分子の開発を継続し、それらの詳細なキャラクタリゼーションを行う。加えて、新たに合成された高分子群の物理化学的諸特性(自己修復性、イオンセンシング能、イオン伝導特性)を検討し、それらの構造特性相間を明らかにし各アプリケーションにおける高性能材料の創出を図る方針である。
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Causes of Carryover |
少額が残ったが、目的が生じたときに執行する予定で繰り越した。 次年度では消耗品の一部として使用する予定である。
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